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ディスプレイ広告のクリエイティブ作成のコツとは?必要なものや広告掲載基準も解説
ディスプレイ広告のクリエイティブはテキストだけでなく静止画、動画も使えるため、高い訴求力があります。しかし、広告を制作するとなると「何から準備したらよいのか」「どうすれば効果的な広告を作れるのか」など悩むことがあるでしょう。
本記事は、ディスプレイ広告のクリエイティブ作成に必要なもの、作成のコツ、広告掲載基準などを解説します。また、クリエイティブ制作のコツを業種別にまとめたガイドブックも紹介しています。
ディスプレイ広告のクリエイティブとは?
ディスプレイ広告は、Yahoo!広告などの広告ネットワーク上にある膨大な数のWebサイト、スマートフォンのアプリなどの広告枠に掲載されるWeb広告です。Web広告におけるクリエイティブとは「広告の制作物」を意味し、具体的にはバナー広告(静止画や動画、GIFアニメーションなどを使った広告)、テキスト広告、メール広告などを指します。
ディスプレイ広告のクリエイティブは、テキストに加えて静止画や動画を使えるため、訴求力が高いことが特徴です。この特徴を生かして、主に潜在層向けの集客広告や認知度向上のための広告、ブランディング広告など数多くのユーザーにアプローチしたい時に活用されています。
ディスプレイ広告のクリエイティブ作成で準備が必要なもの
ディスプレイ広告で主流となっているのは、ユーザーのデバイスや属性、広告掲載先などに合わせてシステムが広告表示を最適化する「レスポンシブディスプレイ広告」です。
レスポンシブディスプレイ広告のクリエイティブは、説明文、画像、ロゴなどの「アセット」と呼ばれる単位で作成します。
広告の完成品を作るのではなく、パーツ単位で作ることによって、広告枠やユーザーの使用デバイスに合わせて自動的に最適化された広告を表示できます。また広告主はクリエイティブ制作の負担を軽くできるのがメリットです。
ここでは主要なアセットとして、メイン画像、企業・ブランドのロゴ、キャッチコピー、ボタンについて解説します。
メイン画像
メイン画像には鮮明な画像が必要です。ディスプレイ広告では、ぼやけた画像、ゆがんだ画像、不鮮明な画像などを出稿した場合、審査に落ちる場合があります。その他、過度にフィルターをかけた画像、逆さまの画像、色が反転している画像なども審査に落ちる可能性があります。
画像のアスペクト比やピクセルサイズ、ファイルサイズなどは、各広告媒体の入稿規定を確認してください。Yahoo!広告の場合は、アスペクト比は1:1または1.91:1、推奨ピクセルサイズ(横×縦)は1200pixel x 1200pixel、推奨ファイルサイズは150KB以内(最大容量3MB)です。
レスポンシブ(画像)、レスポンシブ(動画)については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「レスポンシブ(画像)」を読む
「レスポンシブ(動画)」を読む
企業・ブランドのロゴ
企業やブランドのロゴは必ずしも必要ありませんが、ユーザーの記憶に残りやすい傾向があるため、準備しておいたほうがよいでしょう。レスポンシブディスプレイ広告のロゴを作成する際は、表示の最適化によってロゴが縮小されたり、表示されない場合があることに注意が必要です。
Yahoo!広告の場合は、推奨ピクセルサイズ(横×縦)が180pixel x 180pixel、ファイルサイズが3MB以内です。また透過背景や角丸(四隅の角を丸く仕上げる加工)、販促コピーを入れたロゴなどが禁止されています。
キャッチコピー
キャッチコピーとなる文章を準備します。ターゲット層に合わせて簡潔で訴求力の高い文章を考えましょう。例えば、旅行会社がサービス全般を訴求する場合は「海外旅行なら○○(自社名)へ」などになるでしょう。また特定の関心を持った顕在層向けの場合は「年末はハワイへ!なんと税込み5万円?」などのように具体的な内容にします。
のちほど詳しく解説しますが、ターゲットのニーズに合ったキャッチコピー、ランディングページと一貫性のあるキャッチコピーを作ることが重要です。したがって、ターゲットや遷移先が複数あれば、キャッチコピーも複数作らなければならないケースがあります。
ボタン
ディスプレイ広告は、広告全体をボタンのようにもできるため、CTAボタン(※Call To Action:行動喚起)は、必ずしも必要ありません。しかし、次の行動を促す効果があるため、CTAボタンも準備しておいたほうがよいでしょう。
例えばECショップや資料請求フォームなどに誘導したい場合は、クリエイティブのなかの目立つ位置と文字サイズ、色でCTAボタンを設置します。文言は「詳しくはこちら」「ご購入はこちら」など定形的な文言のなかから、クリエイティブに合ったものを選ぶのが基本です。Yahoo!広告ではプルダウンメニューから選択できます。
なお、広告を見てもらうこと自体が目的の認知度向上やブランディング広告では、CTAボタンを設置しないほうがよいケースもあります。
ディスプレイ広告のクリエイティブ作成のコツ
ここでは関心をひき、クリックしてもらいやすいディスプレイ広告のクリエイティブを作成するコツを6つ解説します。
ターゲットを明確に決める
ターゲットが曖昧だとクリエイティブも曖昧になりがちです。クリエイティブを作成する前に、誰に何を届けたいのかを明確にしましょう。
具体的にはディスプレイ広告で利用できるターゲティング機能を意識して、ペルソナ(典型的なユーザー増)を作成するとよいでしょう。例えば、「40歳女性、年収700万?900万円、国内旅行に関心を持っている」などです。
ターゲットが明確になれば、クリエイティブの訴求ポイントや画像のテイストなども決まってきます。「自分に向けた広告だ」とターゲットに思ってもらえれば、広告効果が高まります。
訴求内容をシンプルかつわかりやすくする
ダラダラと長い文章や要素を詰め込みすぎた文章では、肝心なところが伝わりません。訴求はシンプルかつわかりやすくしましょう。
例えば、自社商品の強みが3つある場合でも、ターゲットに合わせて1つに絞るのが効果的です。どうしても伝えたい1点を訴求すれば、訴求力が高まります。
また、ターゲットの利益がすぐにわかるように工夫しましょう。「〇%割引」「軽く暖かいウールセーター」などターゲット目線で具体的な内容をわかりやすく伝えます。おしゃれな印象を出そうとして失敗するケースが多いため、子どもが読んでもわかるくらいシンプルにしたほうがよいと考えておきましょう。
視認性を高める
広告の文字が読みにくければ、ユーザーに合った訴求をしていてもユーザーが見落とす可能性があります。視認性を高めるためにチェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
- 文字サイズ:各デバイスでの実際の見た目を確認して、文字が小さすぎないかチェックします。特にモバイルデバイスはスクロールが早い傾向があるため、大きめにするのが基本です。
- フォント:癖の強いフォントは読みにくく、デザインの一部に溶け込んでしまうため、特別な理由がない限り使わないようにします。
- フォントの色:背景色と似た色を使うと見づらくなるため、補色を使う手法がよく用いられます。ただし、広告全体のトンマナ(トーン&マナー:色調、文体、雰囲気のこと)と合わせることも大切です。
- オーバーレイテキスト:画像の上にテキストを挿入すると、読みにくくなってしまう場合があります。
遷移先とズレが起きないようにする
ディスプレイ広告をクリックした先で、関連性が薄い商品やサービスが紹介されていると離脱する可能性が高まります。遷移先とクリエイティブの親和性も意識しましょう。
例えば、遷移先のランディングページが女性向けのダイエット食品なら、クリエイティブも同じターゲットに向けた訴求内容にするべきです。仮にメタボに悩む男性向けのクリエイティブを作成してしまえば、広告をクリックしたユーザーの多くは、違和感を持って離脱してしまうでしょう。
またトンマナの統一も大切です。例えば自社サイトがモノトーンで高級感を出しているなら、クリエイティブも同じような配色にします。
広告と判断できるようにする
広告掲載先の背景色とクリエイティブの背景色が同じだと、広告だと判別しにくくなってしまいます。また、間違ってタップやクリックしたユーザーから、不快感を持たれる恐れもあります。掲載先が決まっている場合は、サイトデザインを確認してからクリエイティブを制作するとよいでしょう。
ただし、広告掲載先との親和性を考えて調整する必要もあります。仮に広告掲載先が暖色系の穏やかな印象のデザインであるのに、自社のクリエイティブがモノトーンの無機質な印象のデザインにすれば、周囲から浮いてしまう恐れがあります。
ABテストをおこなう
よりよいクリエイティブ作成のためには、ABテストをおこなうのが効果的です。ABテストとは、画像や説明文などの一部を変えた複数パターンのクリエイティブを表示して、成果を比較する手法です。Yahoo!広告などの広告管理ツールに搭載されている機能なので、専門的な知識がなくても簡単にABテストを実施できます。
例えば、2パターンのキャッチコピーを作成してABテストをすれば、どちらがターゲット層の心に刺さっているか推測できます。同様にメイン画像やCTAボタンの形状、メッセージがどちらがいいのかなどを比較することができます。
クリエイティブにおける広告掲載基準とは?
クリエイティブを制作する際は、Yahoo!広告などの広告媒体側が設けた広告掲載基準を守らなければなりません。広告掲載基準が守られていなければ、広告出稿時の審査に落ちてしまい、広告が表示されません。
広告掲載基準には、消費者に誤認される不当な表示を禁止する「景品表示法」や医薬品などに適用される「薬機法」など法律に準拠した部分と、広告媒体が独自の基準で決めている広告掲載ポリシーの部分があります。
細かく厳密なルールがあることを知ってもらうために、ごく一部ですが実例を紹介します。
【法律に関係する内容】
- 根拠がない最大級・絶対的表現をしない
「日本一の安値」(データの出典元、調査機関名などが記載されていない場合)
「県内一の生徒数」(データが1年以上前の場合)
- 薬機法に違反する表記
「安全性は確認済み」(安全性が確実とする根拠がない)
「○○大学教授...私もおすすめします」(世人の認識に相当の影響を与える団体などの推薦表現は使えない)
【広告ポリシー(Yahoo!広告の場合)】
- 不快感を与える表現
「昔、クビレ美人。今、トド。」(コンプレックスを刺激する表現)
目を大きくズームアップした画像(局部を強調すると不快感を与える恐れがある)
- ターゲティング対象であると認識される表現
「40代、まだ諦めたくないあなたに」(年齢ターゲティングしたと推測される)
「○○サイトを訪れた方へ」(訪問履歴を示唆する表現)
Yahoo!広告の広告掲載基準ついては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「【広告】広告掲載基準」を読む
効果的なクリエイティブ作成で成果を出そう
ディスプレイ広告のクリエイティブは、テキスト、画像、動画によって高い訴求力を期待できる広告です。広告目的やターゲットに合わせて、効果的なメイン画像やロゴ、キャッチコピーなどを選んで、成果を出していきましょう。
広告制作がはじめての場合や思うような成果が出ていない場合は、本記事でも紹介したYahoo!広告のクリエイティブ制作TIP集「業種別 画像解析クリエイティブガイド」を無料ダウンロードしてご活用ください。
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