メインコンテンツに移動
Webマーケティング入門 公開日:2023.03.06

アドネットワークとは? 流れや必要な指標を解説

Yahoo!広告

アドネットワークとは、オンライン上の多数の広告枠を束ねたネットワークです。アドネットワークを利用すれば、広告主は広告を一括配信でき、配信条件の設定や成果測定などを効率化できます。

本記事はWeb広告の運用初心者でもわかるように、アドネットワークとは何か、仕組み、混同しがちな用語との違い、利用するメリット・デメリットなどを解説します。

アドネットワークとは

アドネットワーク(ad network)は直訳すると「広告網」で、オンライン上の多数の広告枠をつなげたネットワークです。例えばYahoo!広告が提供するアドネットワークには、Yahoo! JAPANやWebメディア、個人ブログなどのたくさんの広告枠がつながっています。このような仕組みや配信方法をアドネットワークと呼びます。

アドネットワークが登場した背景

アドネットワークが登場した理由は、広告主の負担軽減のためです。アドネットワークがなければ、広告枠を所有する企業や個人と毎回個別に契約しなければなりません。広告フォーマットや料金体系もさまざまなため、広告運用の手間が大幅に増えます。

アドネットワークを利用すれば、広告出稿や入札、配信設定などをアドネットワーク事業者に一本化できるため労力や時間をかけずに、広告を見てもらう機会を増やすことが可能です。

アドネットワークの仕組み

アドネットワークは、次のような仕組みで実現されています。

  1. アドネットワーク事業者がアドネットワークに登録したい企業や個人を募り、広告枠を契約する
  2. 広告主がアドネットワーク事業者に広告を登録し、広告掲載オークションに入札する
  3. 広告主が広告条件を設定する(ユーザー属性、Webサイトのジャンルなど)
  4. 入札価格や条件に応じて広告配信される

このようにアドネットワークを利用すれば、広告主は目的や予算に応じて広範囲に広告配信できます

アドネットワークとDSPとの違い

DSPとは、複数のアドネットワークを横断して広告配信するためのツールです。複数のアドネットワークを効率的に活用し、成果を最大化する目的で利用します。したがって、アドネットワークが広告網であるのに対して、DSPは広告運用ツールという違いがまずあります

また利用方法の観点から比較すれば、アドネットワークとDSPの違いは以下のとおりです。

アドネットワーク DSP
広告配信先面の選び方 Webメディア、個人ブログなど アドネットワークAのWebメディア、アドネットワークBのWebメディア、など
入札形態 通常入札
※広告を掲載する機会が発生したタイミングで入札
RTB
※Real-Time Bidding:広告表示1回ごとにオークションが発生
課金形態 クリック課金、インプレッション課金 インプレッション課金
ターゲティング 人と掲載面による多彩なターゲティングが可能(インタレスト・トピックターゲティング、リターゲティング、オーディエンスターゲティング、サイトカテゴリーなど) 主に人によるターゲティング(オーディエンスターゲティング、リターゲティングなど)

アドネットワークとアフィリエイトの違い

アフィリエイトによる広告配信は、自社商品を宣伝してくれるアフィリエイター(広告掲載者)を募る方法です。多数のアフィリエイターを確保できれば、多数の広告枠に広告表示してもらえます。場合によっては、商品紹介記事とともに広告を設置してもらえるでしょう。

アフィリエイトはアドネットワークと異なり、自社の裁量で配信先を増やせません。また、掲載場所や掲載期間もアフィリエイターに任せる形になります。

広告費の支払い方も異なります。アドネットワークはクリック課金、インプレッション課金です。一方、アフィリエイトは成果報酬制で、商品購入や問い合わせなどの成果が出たタイミングで報酬を支払います。

アドネットワークとメディアレップの違い

メディアレップとは、オンライン広告専門の広告代理店です。広告枠の契約を事業者から任されるか、広告枠を買い取って広告主側に仲介します。また、広告制作や入稿サポート、マーケティングなどのサービスを提供するのも一般的です。

メディアレップが扱う広告枠には、アドネットワーク以外のものも含まれます。例えば、膨大なアクセス数を持つ特殊な広告枠の場合、メディアレップ経由で提供されている場合もあります。

アドネットワークとそれ以外の広告の違い

ここでは主に配信方法の観点から、純広告、リスティング広告、ディスプレイ広告との違いを解説します。

純広告との違い

純広告とは、どのアドネットワークにも所属していない、特定の媒体の広告枠です。広告主が広告枠の所有者と直接交渉するか、広告代理店を通じて交渉して、掲載料金、掲載期間などを決めます。

リスティング広告との違い

リスティング広告はYahoo! JAPANなどの検索エンジンの検索結果ページに表示されるテキスト形式の広告です。広告主は自社商品と関連が深いキーワードを選び、リスティング広告を出稿します。

例えば、英会話スクールであれば、「英会話 教室」などのキーワードで広告を出せば、見込み度が高いユーザーの意欲が高まったタイミングで広告を見てもらえます。

リスティング広告は出稿場所が検索結果ページに限られるため、アドネットワークに含まれません。Yahoo!広告では「検索広告」と呼ばれており、アドネットワークの「ディスプレイ広告」と区別して運用します。

アドネットワークのメリット

アドネットワークの画像

アドネットワークは、特定の広告掲載面を決めず、目的や予算に応じてリアルタイムで運用を調整できる「運用型広告」を実現できます。アドネットワークの特徴、メリットをみていきましょう。

複数媒体に一括配信できる

アドネットワークを利用すると、複数の媒体に一括で広告配信できるようになります。そのため、労力をかけずにたくさんの人に広告を見てもらいたい場合に向きます。例えば、認知度向上やブランディングに活用できるでしょう。

また、期間限定のキャンペーンや新商品発売など集中的にプロモーションしたい場合にも、アドネットワークを利用できます。アドネットワークには膨大な広告枠があるため、予算を投入すれば、短期間で成果が得られます。

効果測定・データ管理がしやすい

同じアドネットワーク上でデータを一元管理できるため、広告の効果測定や予算管理が容易です。例えば、広告枠別のクリック数や合計の広告表示数、コンバージョン数などを管理ツール上で閲覧できます。

さらに、アドワーク事業者は分析ツールも提供しています。Yahoo!広告の場合、データを時系列グラフ化してくれる機能や広告運用状況に合わせた最適化提案機能、適正な入札価格を自動的に調整する機能などが使えます。

属性や時間などのターゲティングができる

アドネットワーク事業者は膨大な数の広告枠および広告に対するユーザーのレスポンスをビッグデータで蓄積しています。これにより、ユーザーの年齢、性別、興味関心のあるカテゴリ、Webサイトの内容などで配信先を絞り込めます。また、配信期間や配信時間帯、配信する地域なども指定可能です。

アドネットワークのデメリット

アドネットワークは、利用方法によっては広告のパフォーマンスが落ちたり、運用の手間がかかったりする場合があります。自社に適さない場合もあるため注意が必要です。

関連性の低い媒体に配信されることがある

広告配信先を個別に指定しないため、広告と関連性が薄い場所に表示される可能性があります。例えば新車を専門に販売している自動車メーカーの広告が中古車情報サイトに掲載されるなどして、広告パフォーマンスが下がるケースがあります。広告掲載先をアドネットワーク事業者のシステムに任せて労力を少なくできる一方、完全にコントロールできないことを覚えておきましょう

ただし、配信設定で特定のWebサイトを除外したり、カテゴリ設定を詳しく絞り込むなど、精度を高める方法はいくつかあります。

アドネットワークごとに仕組み・課金形態が異なる

アドネットワークによって入札システムや課金形態などが違います。たとえ同じ広告を出稿するにしても、最低入札単価や課金制度が違うケースがあります。ターゲティング機能や広告出稿ルール、広告掲載ポリシーなども同じとは限りません。

運用負担が大きい場合は、複数のアドネットワークに横断的に配信できるDSPの利用を検討するとよいでしょう

広告が重複配信されることがある

複数のアドネットワークを利用すると、広告が重複配信される可能性があります。極端なケースでは同じ広告が複数同時表示されたり、表示回数が予想以上に多くなったりしてしまいます。

重複配信されると予算オーバーになるため注意が必要です。また、表示回数が多すぎるとユーザーが不快感を持ったり、広告素材に飽きられてしまう可能性もあります

アドネットワークの配信方法

アドネットワークに配信する方法は、ターゲティング配信とノンターゲティング配信の2週類があります。それぞれの特徴を解説します。

ターゲティング配信

ターゲティング配信とは、広告を見るユーザーの属性や広告表示先のWebサイトなどを絞り込む方法です。例えば、ユーザーの性別、年齢、広告掲載先Webサイトのカテゴリなどを絞り込めます。

特定のユーザーを追跡して広告を再表示する「リターゲティング広告」も可能です。Yahoo!広告の場合、オーディエンスリストを利用すれば、過去に自社サイトを訪問したユーザーに対して広告を表示できます。

リターゲティング配信については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リターゲティング広告とは? 仕組みや活用法、今後の動向について解説」を読む

ノンターゲティング配信

ノンターゲティング配信とは、広告を見るユーザーの属性や、広告表示先のWebサイトなどを絞り込まない配信方法です。ただし、まったく条件を指定しないケースはまずないため、不特定多数にみられることを目的にした配信手法といえるでしょう。

ノンターゲティング配信は、食品や日用品、クレジットカードなど、幅広いユーザー層に広告をみてもらいたい商材が向いています。また、ターゲット層が不明確であるときに、まずは広範囲に配信し、反応がよいユーザーや成果が上がったWebサイトを見つけていくためにも使えます。

Yahoo! JAPANのアドネットワークサービス

Yahoo! JAPANのアドネットワークサービスは、「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)」と呼ばれています。Yahoo! JAPANのトップページや提携企業が運営しているWebメディア、個人のホームページなど膨大な広告枠に広告を配信できます。

Yahoo!広告 ディスプレイ広告

Yahoo!広告 ディスプレイ広告は広告入稿、入札、成果測定を一元的に管理できるプラットフォームです。シンプルな管理ツールにより、専門的な知識がなくても広告運用をスタートでき、広告運用多彩なターゲティング機能が追加費用なしで使えます。また、月数千円から数万円程度の予算で運用できることから、中小企業や個人事業者なども利用しています。

Yahoo!広告 ディスプレイ広告は従来「Yahoo! ディスプレイアドネットワーク」(YDN)でした。基本的な機能は同じですが、広告主のニーズに合わせて運用管理方法が更新されています(下図参照)。

Yahoo!広告 ディスプレイ広告の作図

YDNは動画広告、動的ディスプレイ広告(ユーザーの興味・関心に合わせて広告内容が切り替わる広告)など、広告掲載方式別に管理する方式でした。Yahoo!広告 ディスプレイ広告ではサイト誘導、コンバージョン獲得など目的別の管理に変わり、広告主がマーケティング戦略と広告施策を一体化させやすくなっています。

アドネットワークを活用しよう

オンライン上にある多数の広告枠をつなげたアドネットワークを活用すれば、広告主は手間や時間をかけることなく、広告を一括配信できます。また、配信条件や成果測定などを一元的に管理して、広告パフォーマンスを高めていけます。

本記事で紹介したヤフーのディスプレイ広告(運用型)を使えば、多彩なターゲティング機能を使ってアドネットワーク上に広告を配信できるので、ぜひご活用ください。

関連タグ:
#Web広告の基本

この情報は役に立ちましたか?