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リスティング広告のTDとは? タイトル・説明文作成のコツや文字数などの注意点を紹介
リスティング広告(検索広告)のTD(タイトル&ディスクリプション)とは、「T=title(タイトル)」と「D=description(ディスクリプション:説明文)」の略で、いずれも検索結果の広告枠に表示される広告タイトルと説明テキスト(説明文)を指します。
TDはクリック数やコンバージョン数を左右するため、リスティング広告の設定のなかでも特に重要な項目です。
本記事は、主にリスティング広告(検索広告)運用の初心者の方に向けて、TDについてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
1. TDとは?
Web広告におけるTDとは、タイトル&ディスクリプション(title & description)の略で、広告のタイトルと説明文のことです。
リスティング広告のTDは、検索エンジン(Yahoo! JAPANやGoogle)の検索結果ページ上部や下部の広告枠に表示されます。

上のイラストの場合、タイトルは「リスティング広告代理店」の部分です。その下がディスクリプション(説明文)で、3行程度のテキストが表示されます。
タイトルには通常、店舗名、企業名、商品名、広告のキャッチコピーなどを書きます。説明文には商品、サービス、Webサイトの概要を記述します。ただし、辞書的な内容でなく、ユーザーの興味や行動喚起を促す文章にするのが一般的です。
2. リスティング広告におけるTDの重要性
リスティング広告では、TDで検索ユーザーの興味を引けなければ広告をクリックしてもらえません。広告がクリックされないと、ランディングページや自社サイトへの流入が減り、コンバージョン(商品購入や問い合わせなど)につながる機会を逃してしまいます。
そのため、TDはリスティング広告の成果を大きく左右する項目といえます。
近年では、広告の配信方法として、レスポンシブ検索広告が主流になっており、より簡単にTDを設定できます。
レスポンシブ検索広告におけるTDの活用
レスポンシブ検索広告とは、TDを複数入稿することで、それらを自動的に組み合わせ、検索クエリーなどに応じて最適な広告を配信する形式のリスティング広告です。手作業で一つひとつ広告を作成する場合と比べて運用効率や費用対効果が高く、現在さまざまな広告媒体で導入が進んでいます。
Yahoo!広告 検索広告(リスティング広告)の場合
Yahoo!広告 検索広告(リスティング広告)では、標準でレスポンシブ検索広告が利用できます。入稿したTDが自動的に組み合わされ、検索ユーザーに最適な広告が配信される仕組みです。これにより、運用の手間を減らしながら効率的に広告を配信できるだけでなく、配信結果を分析することで、どのTDがユーザーの関心を引きやすいか把握しやすくなっています。
レスポンシブ検索広告の詳細はこちらをご覧ください。
3. クリックされにくいTDの特徴
ここでは、クリックされにくいTDの特徴を3つ紹介します。
3-1. トンマナがターゲット層に合っていない
扱う商材によって適切なTDの文体、いわゆるトンマナ(トーン&マナー)は変わります。ターゲット層に合った言葉や表現を使わなければ、信頼感や好感を得ることができません。
例えば、20代女性をターゲットとしているのに、50代男性向けのトンマナでは、興味を持たれにくく、クリックにもつながりません。また、高級感を打ち出したい商品なのに、カジュアルすぎるトンマナでは、信頼性を損なう可能性があります。
さらに、認知度の低いトレンドキーワードや業界用語を多用すると、ユーザーに伝わりにくく、クリック率が下がる原因にもなります。
トンマナについては以下のページで詳しく解説しています。
「トンマナとは? デザイン・文言で決めるべき項目、重要性や設定時の注意点を解説」を読む。
3-2. ユーザーニーズが合っていない
TDがユーザーニーズと合っていないと、リスティング広告のクリック数は伸びにくくなります。検索ユーザーは自分の求める情報が得られないと判断し、ほかの広告をクリックしてしまうでしょう。
例えば、「水回り トラブル 即日」というキーワードで検索するユーザーの多くは「どれくらいの時間で自宅に駆け付けてくれるのか」を重視して業者を探している可能性があります。このニーズに応えたタイトルや説明文がなければ、クリックにはつながりにくくなります。
3-3. 行動喚起につながるフレーズが入っていない
行動喚起の要素が含まれていないTDは、クリック数が伸びにくい傾向があります。リスティング広告は、すでに何らかのニーズを持ったユーザーに対する広告です。そのため、認知向上やブランディングを目的とした広告と同じように作成しても、成果にはつながりません。
例えば、自社商品名のキーワードでリスティング広告を出す場合、検索ユーザーはすでに商品を認知している可能性が高いです。このような場合、タイトルや説明文に商品概要を入れるだけではユーザーの関心を引くことはできません。「今なら●●キャンペーン開催中」など、行動を促すフレーズを加えることで、クリック率の向上が期待できます。
4. 効果的なリスティング広告のTD作成のコツ
ここからはクリックされやすいTDを作るための具体的なコツを解説します。
なお、タイトルと説明文の具体的なコツは両方に当てはまるケースもありますが、今回はタイトルと説明文で意識できるとよりよい点にわけて紹介します。
4-1. タイトル(T)作成のコツ
タイトルは広告の主要な見出しとなり、最初に目に飛び込んでくる部分です。そのため、検索ユーザーの注意を引きつける上で非常に重要です。ユーザーの興味を引きやすいキーワードを盛り込むことを意識しましょう。
4-1-1. 検索インテントに沿ったキーワードを入れる
前述のクリックされないTDの共通点は、「ユーザー目線で作られていない」という点です。逆にいえば、ユーザーの視点に立ってタイトルを考えることで、効果的なリスティング広告(検索広告)が作れるといえます。
そのための代表的な手法が、検索意図に沿ったキーワード(KW)を使ってユーザーの興味を引くフレーズを作る方法です。例えば「着物 買取」というキーワードのリスティング広告なら「着物を高価買取します」のように、検索語句を含めると、ユーザーニーズに合ったタイトルに近づきます。
4-1-2. 具体的な数字を入れる
「冬物30%オフ」「12月1日〜3日の限定キャンペーン」など具体的な数値を入れるとクリックしてもらいやすくなります。数値を入れると信ぴょう性が増し、検索ユーザーに具体的な購買イメージを持たせて訴求力を高める効果もあります。
4-1-3. 特別感があるフレーズを入れる
4-1. タイトル(T)作成のコツ
「公式」「特典」「特別」などのフレーズを含めることで、クリックされやすくなります。リスティング広告は競合他社の似通った内容の広告と並ぶため、特別感を出すことで差別化を図れます。
特に「初回限定」「今だけ特別価格」など、緊急性を持ったフレーズは、行動喚起につなげやすい特徴があります。
ただし、いくら広告効果を高めても利益が少なくなるようでは本末転倒です。また、常にこうしたフレーズを使用して広告を出し続けると、信頼性が疑われる場合もあるため、使用には注意が必要です。
4-2. 説明文(D)作成のコツ
説明文(ディスクリプション)はタイトルを補足する形で、広告内容の詳細やメリット、ポイントを簡潔に伝え、クリックを促す役割を担います。 そのため、タイトルだけでは伝えきれなかった要素や、よりクリックしたくなるフレーズを盛り込むとよいでしょう。
4-2-1. ユーザーがまだ知らない情報をテキストに盛り込む
ユーザーがまだ知らないであろう自社・サービス情報を盛り込むことで、関心を引きやすくなります。ユーザーは新しい情報に興味を持ち、広告をクリックしてサイトにアクセスする傾向があるためです。
商材によって方法は異なりますが、例えば転職サポートに関連するサービスであれば、「今、大手企業で◯◯スキルを持つ人材が求められる理由」など、ユーザーがまだ知らない新しい情報を盛り込むことが効果的です。
4-2-2. ユーザーの好奇心をくすぐるような表現で訴求する
情報だけでなく表現方法にも工夫を凝らし、ユーザーの好奇心を刺激することが重要です。その一つが、タイトル作成のコツでもある「具体的な数字」を活用することです。
特に金額に関する具体的な数字は、信頼性や説得力を高めるため、効果的に訴求できます。商材やビジネスモデルに応じて、商品価格やサービス料金を盛り込むことを検討しましょう。ただし、例えば競合に対して優位性がない数字は、逆にクリックを避けられる恐れがあるため、その点は慎重に判断してください。
また、特典・メリットを伝えるフレーズもユーザーの関心を引く上で有効です。例えば、「初回限定」などのフレーズが使えるときは、タイトルや説明文に盛り込むと効果的です。
4-2-3. ユーザーに期待する行動を促すフレーズを入れる
好奇心をくすぐるだけでなく、具体的な行動を促すフレーズを盛り込むと、クリック率の向上につながります。例えば、セールに関連する広告の場合、「今のうちにまとめ買いしましょう」「欲しかったあの商品をお得に入手しましょう」など、行動を促すフレーズを使用すると効果的です。
4-3. タイトルと説明文の両方に共通する作成のコツ
4-3-1. 最適な文字数と使用可能な文字・記号を使う
T:タイトル | D:説明文 | |
---|---|---|
レスポンシブ検索広告 ※1 | 30文字以内 | 90文字以内 |
動的検索連動型広告 ※2 | 自動生成のため不要 | 90文字以内 |
1:タイトル・説明文を構成するテキスト(アセット)を複数入稿すると、それらを自動的に組み合わせ、検索クエリーなどに応じて最適な広告を自動的に表示するリスティング広告
2:指定したサイトのコンテンツと関連性の高い検索キーワードに対して、広告のタイトルを自動生成して配信する広告
例えば【 】「 」などのカッコがタイトルと説明文それぞれで1組しか使えないなど細かなルールもあるため、必ずマニュアルを読んでおくことをおすすめします。
また、タイトルはデバイスやブラウザによって24文字目または27.5文字目から「...」と省略される場合があるため、重要なフレーズは前のほうに含めましょう。
Yahoo!広告のルールを確認したい場合は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「Yahoo!広告の最適な文字数と使用可能な文字・記号(検索広告・広告表示オプション|ディスプレイ広告)」について詳しく見る。
「文字、記号を使用する際のルール(ヘルプ)」について詳しく見る。
「リスティング広告の文字数を解説! 広告文のポイントと効果的な作り方」を見る。
4-3-2. タイトルと説明文の文言が重複しないようにする
タイトルや説明文には文字数制限があるため、訴求内容の重複は避けたいところです。同じ内容を繰り返し説明していないか、複数の訴求軸を設定した場合はそれが適切に設定されているか、必ず確認しましょう。
4-3-3. 競合のTDを分析する
同じ検索結果のページに表示される競合のTDを分析することで、魅力的なTDの作り方を学び、自社の広告の立ち位置を決めるための参考になります。分析する際のチェックポイントは大きく分けて次の3つです。
■1■ 企業名や商品名の有無
知名度のある企業や商品の場合、これらをTDに含める傾向があります。それに対して、指名度の低い場合は商品のメリットや割引などを強調する傾向があります。つまり、企業名や商品名の有無を確認することで、競合の業界内の位置付けを簡易的に測れます。
■2■ 訴求ポイント
価格や品質など、何をアピールしようとしているのかを分析しましょう。差別化を図りたいなら、切り口の異なるTDを作ることが重要です。また、自社が強みを持つ部分については、具体的な数値や内容を盛り込むことで対抗できます。
■3■ 使われるフレーズやトンマナの特徴
競合のテキスト表現を詳しく分析すれば、広告の方向性やどのようなターゲット層を狙っているかなどを理解できます。
5. リスティング広告のTD作成の注意点

ここでは、TD作成時の注意点について紹介します。作成したタイトルと説明文の内容によっては出稿ができなかったり、広告費が増大したりする場合もあります。作成前に注意点を知っておきましょう。
5-1. 広告掲載ガイドラインに注意する
リスティング広告を出稿するには、各媒体社側の審査に通過する必要があります。広告は広告掲載ガイドラインにしたがって、広告主が登録したキーワード、タイトルと説明文(TD)、およびリンク先の内容(ランディングページ、Webページなど)などが審査されます。
広告掲載ガイドラインは、主に掲載内容や広告表現の品質に関するガイドラインと、キーワードや広告表現と掲載内容の適合性に関した内容があります。
例えば広告表現の規制としては、以下のような表現になっている広告クリエイティブを掲載することはできません。
● ユーザーに誤解を与えるような表現
● 投機心、射幸心を煽るような表現
● 法律で禁止されている行為を連想させる表現 など
広告媒体各社は、審査基準を「広告掲載基準」「広告ポリシー」などの形で審査基準を公表しています。広告主はこれらを遵守してリスティング広告を制作することが必要です。
Yahoo!広告では、広告掲載ガイドラインについて以下で紹介しています。
「【広告】広告掲載基準」について詳しく見る。
5-2. 誇張表現は避ける
リスティング広告を含めたWeb広告は、新聞広告やテレビCMなどと同じく、景品表示法という表示規制の法律の対象です。景品表示法では、消費者に誤認される恐れのある不当な広告を禁止しています。
誇張表現も景品表示法に違反する可能性がある表現です。例えば客観的な根拠なしに、「No.1」「世界一」「最大」などのフレーズを含めると誇張表現にあたります。
誇張表現は広告掲載の審査時にもチェックされますが、広告掲載後に景品表示法違反で消費者庁に調査される場合もあるため注意してください。
5-3. クリックされることだけを目的としない
リスティング広告は、ただクリックされればよいというわけではありません。最終的な目標は、コンバージョンを獲得することです。仮に目先のクリック数だけを追いかけてしまうと、広告料金の支払いが増えるだけでコンバージョンにはつながらない可能性があります。
コンバージョンを増やすには、「ユーザーにとって有益かどうか」を意識するスタンスが重要です。
例えば遷移先のページ内容と、TDの内容が大きくかけ離れていると、せっかく気になってアクセスしても、ユーザーは違和感を覚えて離脱してしまう可能性が高まります。
クリックされることだけを目的にしたTD作成は避け、遷移先の内容との一貫性を意識した上で、興味を持ってもらえそうなタイトルと説明文は何か、を考えるようにしましょう。
6. リスティング広告の成果を高めるにはユーザー視点でTDを作成しよう
リスティング広告におけるTD(タイトル&ディスクリプション)は、クリック数やコンバージョン数に大きく影響する重要な項目です。検索ニーズやターゲット像とのマッチングを考えながら、ユーザー視点でTDを作成していきましょう。
具体的な数値を入れたり、特別感を与えるフレーズを含めたりするなど、工夫一つで成果が大きく変わるのがTDの特徴です。TD作成のコツをつかんで、広告運用の成果を高めていきましょう。
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