記事広告とは? 効果・メリットや料金相場などを解説
ユーザーに有益な情報を発信することで業績向上につなげる「コンテンツマーケティング」に取り組む企業が増えています。しかし、コンテンツマーケティングの手法は多様で、何から取り組みはじめてよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事はコンテンツマーケティングとは何かを基本からやさしく解説し、具体的な手法やメリット・効果、運用の仕方など実践的な内容も取り上げています。コンテンツマーケティングに取り組みはじめる参考としてお役立てください。
記事広告とは、メディアの記事と同じ体裁で掲載される広告です。読者の興味を引きやすく、訴求力が高いなど多くのメリットがあることから、Webマーケティングでも活用する企業が増えています。
本記事は記事広告とは何か、種類、メリット・デメリット、配信方法、料金相場、相性がよい商材、出稿する流れなど、記事広告運用に必要な基礎知識を解説します。
記事広告とは
記事広告とは、Webメディアの記事と同じ体裁で掲載される広告です。広告主がWebメディアとタイアップして掲載してもらうため、「タイアップ広告」とも呼ばれます。記事広告は読者が広告だと区別できるように、「PR」「広告」などと表示されます。
記事広告の種類
ここでは4種類の記事広告の概要、特徴を解説します。
一般記事
自社商品や導入事例の解説、セミナー・イベントの紹介などをおこなうもっとも一般的な記事広告です。一般記事は、自社がアピールしたい内容を盛り込みやすいメリットがあります。広告では伝えきれない情報も、記事広告なら深堀りできます。その反面、広告感が出やすく、読者に離脱される可能性があります。
インタビュー型
インタビューを受ける形で制作された記事広告です。経営者のトップインタビューやマーケターなど、専門人材へのインタビューなどが代表的です。また、社員が有識者と対談する形式もあります。
インタビュー型は話者を通じて、商品に信頼感や好意を持ってもらいやすいのが特徴です。一方、会話形式によって内容が薄くなる場合や、話者に魅力がなく印象を残せない場合があります。
メディアミックス型
記事に動画やマンガなどのコンテンツを追加した記事広告です。メディアミックス型はコンテンツの面白さを出しやすいのが特徴です。一方、複数のコンテンツを制作しなければならないため、制作コストがかかります。
告知型
顧客以外に向けた情報提供をおこなう形式です。例えば、社員募集や業界情報の提供などに用います。また、社会貢献活動などを伝えるブランディングに応用する方法もあります。告知型は直接的な業績向上に向かないため、通常の広告とは切り離して運用されるケースが多いでしょう。
記事広告の効果・メリット
記事広告は、やや特殊な広告です。他の手法と使い分けるためにも、どのような効果・メリットがあるのか知っておきましょう。
読者の興味を引きやすく訴求力が高い
記事広告はWebメディア側の第三者視点で作られます。自社が一方的に宣伝するのではなく客観的に伝えられるため、説得力が増す特徴があります。
さらに記事広告は、Webメディアの読者の興味関心、ニーズ、悩みなどに寄り添って作られます。これにより、読者が興味を持ちやすい内容になります。
広告色が軽減され、読者のストレスを軽減できる
記事広告はWebメディアのコンテンツに溶け込むような形で閲覧されるため、広告を避ける傾向のあるユーザーが拒否感を持ちにくいのがメリットです。
また、読み物としての面白さも加えられます。記事広告であれば、ストーリー性を持たせたり、動画やマンガを挿入したりするなど、読者に楽しんでもらいながら自社商品をアピールできます。
メディアの信頼性を利用できる
権威性のあるWebメディアに記事広告を出稿すれば、それだけで広告主に対する信頼性が上がります。
Webメディアの読者は、もともとメディアに好意を持っています。記事広告はWebメディアが掲載のお墨付きを与えた形となるため、記事内容も前向きに受け止めてもらいやすいのが特徴です。
SEOの面で効果が期待できる
SEOとは、検索エンジンに自社サイトが有益なサイトだと評価してもらい、検索結果ページの上位に掲載して流入者を増やす対策です。
検索エンジンはさまざまな観点からページやサイトを評価しますが、外部サイトからの言及の多さもその一つです。外部サイトからの言及のシグナルは主に、ページ内に記載されているリンクや引用が用いられます。
記事広告を外部媒体に出稿し、自社のリンク先を記事内に記載することで、外部サイトからの言及があるページとして自社サイトの評価が高まり、SEOの観点からもメリットが大きい施策であると言えます。
さらに、出稿先のWebメディア自体に信頼性や知名度がある場合、多くの読者の目に留まりやすくなり、読者のサイトにリンクを貼ってくれることも期待できます。
SEOについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
ネイティブ広告と相性がよい
ネイティブ広告は広告掲載面に溶け込ませ、コンテンツの一部のように掲載される広告全般です。つまり、記事広告はネイティブ広告の一種です。
記事広告をつくっただけでは、なかなか読者が集まりません。そこでWebメディアの広告枠やタイムラインの「中」などにネイティブ広告を出稿します。記事広告に誘導するネイティブ広告を使うと、より多くのアクセスを集められます。
記事広告のデメリット
記事広告にはメリットがある一方、デメリットもある点に注意が必要です。
誤解を招く可能性がある
記事広告は一般的な記事と同様に情報を提供するため、読者に広告だと気付かれない可能性があります。
あとから広告だと気付いた読者は、不快感を持つ可能性があります。ただし、広告であることを故意に隠したり、分かりにくく表示したりすると、ステマ(ステルスマーケティング:広告であることを隠して消費者を誘導する悪質な広告)だとみなされる可能性があるため、注意が必要です。
広告の掲載までに時間がかかる
記事広告は制作に手間がかかります。内容やボリュームにもよりますが、制作依頼から配信まで数ヵ月かかります。したがって、記事広告はタイムリーな配信がむずかしいのがデメリットです。
例えば、商品がヒットした際に、すぐに記事広告でプロモーションしようとしてもタイムラグが生じてしまいます。そのため、記事広告はWeb広告など他の手法と併用するのが一般的です。
記事広告の料金相場・費用はいくら?
記事広告の料金相場は、一般的にトータルで10万?数百万円です。媒体種類別の相場は以下のとおりです。
相場※掲載期間4週間程度 | 概要 | |
---|---|---|
新聞社系メディア | 300万円? | 新聞各社のオンラインサイト |
雑誌系メディア | 200万円? | 雑誌社の運営サイト |
ニュースサイト系メディア | 100万円? | Yahoo!ニュースなどのニュースサイト |
業界団体系メディア | 50万円? | 経済団体、協会などが運営するサイト |
キュレーションメディア | 10万円? | 特定の情報を収集、配信するサイト |
費用は掲載先メディアのPV数や掲載場所、掲載期間などによって変わります。また、成果報酬課金で契約できるWebメディアもあります。成果報酬課金の場合は、主に次の2種類です。
- PV(閲覧数)保証型:記事広告が一定の表示数に達するまで掲載される方式
- リード獲得型:資料請求や問い合わせなどの成果に応じて料金を支払う方式
記事広告の配信方法
記事広告は配信方法によって、インフィード型とレコメンドウィジェット型に分けられます。
インフィード型
インフィード型は、ニュースメディアやSNSなどのタイムライン上に表示される広告です。インフィード型の多くは、「見出し・説明文+画像+PRや広告のマーク」で構成されます。インフィード型は、見逃されにくいのがメリットです。しかし、邪魔な広告だと思われるリスクもあります。
レコメンドウィジェット型
レコメンドウィジェット型は、Webメディアのおすすめ情報枠に掲載される広告です。記事の最下部やサイドバーに「おすすめの記事」などの枠があり、そこに記事広告のタイトル・リンクを掲載します。フォーマットは「見出し・説明文+画像+PRや広告のマーク」で構成されるのが一般的です。
レコメンドウィジェット型は、Webメディアの読者の流入が見込めるのがメリットです。一方、見逃される可能性が高いこと、たくさん記事のなかで埋もれてしまう可能性が高いのがデメリットです。
記事広告を出すべきかどうか
ここでは、記事広告を出すべきか迷っている人に向けて、相性のよい商材と悪い商材を解説します。
記事広告と相性がよい商材
記事広告と相性がよいのは、競合との差別化がむずかしい商材です。Web広告では伝えられない自社の強みも、記事広告のボリュームなら魅力的に伝えられます。必要に応じて画像や映像などを利用すれば、さらに訴求力を高められるでしょう。
また、潜在層へアプローチしたい場合にも記事広告が向いています。広告感が薄い記事広告は抵抗感を持たれにくく、Webメディアの信頼性も利用できるため、潜在層のタッチポイントに最適です。例えば、品質に自信のある知名度が低い中小企業が、アクセス数の多いWebメディアに出稿すれば、多くの潜在層にリーチできるでしょう。
記事広告と相性が悪い商材
顧客単価が低い商材は、記事広告と相性がよくありません。広告制作の手間と時間がかかり、掲載料も高い記事広告ではコストパフォーマンスが悪くなってしまうでしょう。
また、認知度拡大のみを目的とする商材も向きません。記事広告は、「認知→比較検討、購買」まで育成できる強い訴求力を持っています。企業名や商品名を覚えてもらうだけなら、Web広告を使ったほうが効率的です。
記事広告を出稿する流れ
ここでは記事広告のWebメディア選定から公開後の成果測定までの流れを、4つのステップに分けて解説します。
出稿する媒体を選定する
まず自社のターゲット層と重なる読者層を持つWebメディアを選びます。メディア側から閲覧者の情報を提供してくれる場合もあるので、問い合わせてみるとよいでしょう。
PV数も重要です。いくら質の高いユーザーと接触できても、数が少ないと成果も上がりません。十分なPV数があるか確認しておきましょう。また、掲載期間、掲載場所、課金制度など契約内容を確認して、目的を達成できるか検討します。
記事の企画
次に記事の企画に移ります。通常は、自社の要望を伝えるとWebメディア側から記事企画の提案を受けられます。記事広告の種類(一般記事、インタビュー記事など)、内容、ストーリー展開などの骨子を確認のうえ、記事制作を依頼しましょう。
記事制作・原稿の確認
記事制作は基本的にメディア側がおこないます。必要に応じて途中経過を見せてもらいましょう。取材や撮影などを依頼された場合は、高品質な記事にするため、できるだけ応じます。
原稿ができたら内容をチェックします。専門的な部分はWebメディア側が行き届かない部分があるため、細かくチェックしましょう。逆にWebメディアに適したトンマナは、Webメディア側のほうが熟知しているため、任せたほうが安心です。
記事公開・効果測定
原稿を了承すると記事が公開されます。この際、自社サイトやSNSなどでも記事広告を宣伝すれば、アクセスを集めやすくなるでしょう。
公開後の成果については、Webメディア側からPV数やリンクのクリック数などのレポートをもらえる場合がありますが、自社でもアクセス解析をするとよいでしょう。記事広告で行動変容を起こし、のちにリスティング広告やディスプレイ広告など別の経路で自社サイトを訪問する人もいます。正しい成果測定をするためには、多くのデータを集められる環境を整えることが重要です。
記事広告で新たな顧客創出を
記事広告は第三者の視点で自社商品が紹介されたり、Webメディアの権威性を利用できたりするなど、他の広告手法にはないメリットがあります。上手に活用すれば、新規顧客を開拓できるでしょう。
一方でタイムリーな配信ができない点や、制作コストが高めである点などがデメリットです。即効性が高くコストも調整しやすいWeb広告など、他の手法も併用するとよいでしょう。各手法のよさを生かせば、相乗効果で効果を高められます。
- 関連タグ:
- #Web広告の基本
この情報は役に立ちましたか?