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リスティング広告の自動入札とは? メリットや運用のポイントを解説
リスティング広告の自動入札とは、クリック数の最大化やコンバージョン数の最大化など、設定した目標に応じて入札単価を自動で最適化する機能です。入札の手間を省けることや、経験の乏しい人でも一定の成果を上げやすいことなどから、活用シーンが広がっています。
そこで本記事はリスティング広告の自動入札とは何か、どのようなメリット・デメリットがあるか、活用する際のポイントなどを解説します。
リスティング広告の自動入札とは
自動入札とは、広告掲載の目的に応じて、Yahoo!広告などの広告媒体側のシステムが適正な入札価格を自動設定する機能です。例えば、「クリック数を最大化したい」「予算内でコンバージョン数を最大化したい」などの目的に応じて、自動入札機能を使えます。
自動入札は、広告媒体のシステムが配信状況の「シグナル」を検知して実現しています。Yahoo!広告で使われるシグナルは以下のとおりです。
- ユーザーの利用デバイス、所在地
- 配信日時、曜日・時間帯
- 地域に関する意図(例えば旅行関係の広告の場合、ユーザーの所在地とは関係なく「沖縄旅行」などのキーワードの入札が調整されます)
- リマーケティングリスト(自社サイトの訪問履歴がある人など)
- 広告の特性
Yahoo!広告では、専門的な知識がなくても広告運用を始めることができます。Yahoo!の自動入札に悩んだら下記の診断をご覧ください。
「【自動入札タイプ診断】検索広告 自動入札のすすめ」を詳しく見る
手動入札との違い
手動入札とは、リスティング広告の入札単価を手動で都度、設定する方法です。自動入札との主な違いは以下のとおりです。
手動入札 | 自動入札 | |
---|---|---|
設定作業にかかる工数 | 多い | 少ない |
設定の自由度 | 自由に細かく設定できる | 目的と目標値以外は設定できない(調整内容はブラックボックス) |
運用に適した場面 | 特定の意図を持って運用したい場面 | 特に選ばない |
難易度 | 高い(効率的な運用をするには、広告運用の知識と経験が必要) | 低い(広告運用の経験に乏しくても運用可能) |
従来は手動入札が主流でしたが、現在は自動入札で運用して、必要に応じて手動入札を使うケースが増えています。背景には自動入札の精度が向上したことがあります。
自動入札の種類
自動入札は目的に応じて複数の種類があります。主要な広告媒体の種類はほぼ同じですので、ここではYahoo!広告を例に紹介します。
- クリック数の最大化:予算内でクリック数を最大化
- コンバージョン数の最大化:予算内でコンバージョン数を最大化
- コンバージョン単価の目標値:目標のコンバージョン単価でコンバージョンを最大化
- 拡張クリック単価:手動で設定した入札価格を基準に、コンバージョン数を最大化
- ページ最上部掲載:設定した割合で検索結果の最上部に掲載されるように自動調整
- コンバージョン価値の最大化:予算内で価値の高いコンバージョン(利益率が高い、売上金額が高いなど)を最大化
- 広告費用対効果の目標値:目標とする平均広告費用対効果(ROAS)を維持しながら、価値の高いコンバージョンを最大化
自動入札のメリット
自動入札には広告運用を効率化できたり、広告効果を高めたりなど、多くのメリットがあります。
入札の手間が省ける
自動入札を利用すると、入札の手間を減らせます。手動入札ではキーワードごとに金額を設定しなければなりませんが、自動入札では自動的に設定されます。しかも、キャンペーン単位で自動入札の種類を設定できるため、複数のキーワードをまとめて自動入札できるのがメリットです。
例えば、複数のキーワードが登録されているキャンペーンに、「コンバージョン数の最大化」の自動入札を適用したとします。この場合、コンバージョン数が多いキーワードは入札単価が上がり、コンバージョン数が少ないキーワードは入札単価を下げる調整が働きます。
こうした調整を手動入札でおこなうとなると、成果測定しながら全体を最適化する作業になり、手間がかかるものです。自動入札を使えば大幅に業務工数を減らせるため、広告戦略の立案など、人でなければできない業務に時間を割けるようになります。
広告の効果を最大化できる
自動入札はシステムがデータに基づいて客観的な判断をするため、人の経験や勘に基づく主観的な判断によるミスを避けられます。また、常に一貫したルール、ロジックに基づくため、戦略のブレも防げるのもメリットであり、広告効果の最大化が期待できます。
従来は自動入札の精度を疑う人も少なからずいました。しかし、現在はAIの機械学習やシグナルの検知が進化して精度が向上しており、自動入札を積極的に使うべきだと考える人が増えています。
もちろん手動入札のほうが、成果が上がるケースもあり得ます。しかし、広告運用の経験が乏しい場合や、キーワードが多すぎて管理しきれていないような場合は、自動入札によって成果を向上できる可能性が高いでしょう。
オークションごとで入札価格が調整できる
リスティング広告のオークションは、ユーザーが検索語句を入力して検索するたびに実施されています。したがって、毎回手動で最適な入札単価を設定するのは不可能です。
しかし、自動入札を使えば、オークションごとに入札価格を自動調整できます。広告担当者が不在のときも、目的に合わせて成果を最大化するようにリアルタイムで入札単価を調整してくれます。
例えば、突然猛暑日になった場合は、「ビール」「エアコン 故障」などのキーワードの検索が一気に増え、関連するキーワードの入札単価が上がるかもしれません。このような際に自動入札にしておけば、検索トレンドに追随して広告掲載の機会を確保して、ビジネスチャンスを逃さないようにできます。
専門知識がなくてもある程度、広告運用ができる
リスティング広告の運用経験がない人が手動入札するとなると、入札単価の相場を調べたり、ツールを用いて競合に勝てる入札単価を調べたりするなどの作業だけでも大変です。また、広告の実績がなければ、利益を最大化できる入札単価を見積もるのも難しいでしょう。
自動入札を使えば、機械学習が最適な運用設定を組んでくれるため、目的と予算さえ、しっかり決めておけば、あとはシステムに任せられます。専門知識がなくても、ある程度、成果の上がる広告運用を実現できる点は、広告運用の初心者にとって大きなメリットといえるでしょう。
とはいえ、自動入札の設定に不安がある場合や、そもそもどのキーワードに出稿すればいいのかわからない場合などもあるでしょう。Yahoo!広告では初期設定サービスも実施しているので、興味をお持ちの方は詳しい資料をご覧ください。
「検索広告 初期設定サービス」を詳しく見る
自動入札のデメリット
便利な自動入札ですが、デメリットもあります。自動入札を活用する前に、デメリットについても知っておきましょう。
データを蓄積する必要がある
広告媒体のシステムが、設定した目標に対して安定的な成果を出すためには、一定のデータを蓄積する必要があります。学習期間中はリスティング広告の成果が上がらなかったり、成果が大きく変動したりするリスクも想定しておきましょう。
学習期間の長さは、クリック数、コンバージョン数などのサンプル数によって変わるため、一概にはいえません。ただし、途中で自動入札の種類を変えたり、設定値を変えたり、キャンペーン・広告グループ・キーワードを新規追加すると、学習がリセットされるため注意してください。
配信量が減る可能性がある
自動入札の目標値が現実的でないと、配信が停止してしまう可能性があります。例えば、予算が少ないのにコンバージョンの最大化を目的にすれば、すぐに1日の予算を使い切って配信停止になる場合があります。適切な目標値がわからないうちは、こまめに状況をチェックしておくとよいでしょう。
また、自動入札を有効にすると、各種のターゲティングによる入札価格調整価格が無効になる場合があることにも注意してください。入札価格調整価格とは、設定した条件に合致した場合に、入札単価を自動的に増減させる機能です。
例えばデバイスごとの入札価格調整率を使えば、「スマートフォンユーザーのみ入札単価を10%増やす」などの設定が可能です。しかし、複数の自動入札が働くとパフォーマンスが下がる恐れがあるため、自動入札が優先され入札価格調整率が無効になる場合があります。
急激なコンバージョン増加などの変化に対応しにくい
自動入札は、急激なコンバージョン増加などの急激な変化に対応しにくい特徴があります。例えば、飲食店がリスティング広告を出していた場合に、テレビでその飲食店が取り上げられれば、急激にコンバージョン率が高まるでしょう。このような特殊な状況は学習していないため、自動入札の最適化が有効に働かない可能性があります。
トレンドの変化に機敏に対応したいなら、一時的に自動入札の種類を切り替えたり、手動入札に戻したりする方法があります。ただし、設定変更によって学習がクリアされるため、慎重に検討したうえで実行してください。
リスティング広告の自動入札をおこなう際のポイント
自動入札を使えば、必ず広告効果を高められるわけではありません。ここでは、自動入札を上手に活用するための3つのポイントを解説します。
目的にあった入札タイプを選ぶ
自動入札を活用するうえで大切なのは、まず広告目的に合った種類を選択することです。何の成果を最大化したいのかを、明確にしておきましょう。Yahoo!広告を例に、目的に応じた種類の選び方を示します。
目的例 | 入札タイプ |
---|---|
・サイトアクセスを増やしたい | クリック数の最大化 |
・商品購入や資料請求などを増やしたい | コンバージョン数の最大化 |
・コンバージョン単価を一定に保ちながら、コンバージョンを増やしたい ・成果を顧客獲得単価(CPA)で計測したい |
コンバージョン単価の目標値 |
・コンバージョンを増やしたいが、基準となる入札価格は自分で設定したい | 拡張クリック単価 |
・自社名、商品名の認知度を高めたい | ページ最上部掲載 |
・予算を最大限に使って価値の高いコンバージョン(利益率が高い、売上金額が高いなど)を増やしたい ・費用対効果よりも売り上げを重視したい |
コンバージョン価値の最大化 |
・平均広告費用対効果(ROAS)を維持しながらコンバージョンを増やしたい ・利益率が異なる商品やサービスを複数扱っており、広告の費用対効果を最大化したい |
広告費用対効果の目標値 |
上記は一例ですので、自社の施策に合わせて自動入札を活用してください。
アカウント構造をシンプルにする
自動入札の学習はキャンペーン単位で実行されます。したがって、キャンペーンを細分化すると、機械学習が遅くなり、精度も下がってしまいます。訴求軸が同じキーワードは、なるべく同じキャンペーンにまとめるとよいでしょう。
例えば、「営業 募集」「営業 中途」「営業 採用」のキーワードは、同じ訴求軸ですので同じキャンペーンにまとめます。また、複数店舗を経営しており、店舗ごとにキャンペーンがあるような場合も、可能であればまとめたほうが自動入札の学習が進みます。
Yahoo!広告では自動入札の種類はキャンペーン単位で決めますが、目標値は広告グループ単位で設定可能です。このため、目標値が違う場合でも同じキャンペーンにまとめやすいでしょう。
目標案件や過去の配信実績に合わせて設定する
現状からあまりにかけ離れた目標値を設定すると、そもそもインプレッションが発生しない場合もあります。また、現実的に達成可能な目標でないと、広告パフォーマンスが低下するリスクもあるため注意が必要です。
例えば、現状の顧客獲得単価(CPA)が3,000円であるのに、「コンバージョン単価の目標値」の目標CPAに1,000円を設定したとします。この場合、CPAを達成するために入札価格が下げられるため、ほとんど広告表示されなくなり、成果が出なくなってしまうでしょう。
したがって、商材の特徴や今までの配信傾向などから、妥当な目標値を確認することが重要です。そして、この目標値をベースに成果を測定しながら日々調整していくのが一般的な手法です。
「【自動入札タイプ診断】検索広告 自動入札のすすめ」を詳しく見る
自動入札を利用して効率のよい広告運用を
自動入札を利用すると、入札の手間を省きながら、広告効果を高められます。広告の目的に合わせて、自動入札の種類を選んでいきましょう。近年は自動入札の精度が向上しており、リスティング広告の運用経験が少ない人でも、成果を出しやすくなりました。広告運用しやすい環境が整っていますので、ぜひ自社のマーケティングにリスティング広告をご活用ください。
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