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Webマーケティング入門 公開日:2022.06.20

CPAとは? 設定方法や活用するメリット・注意点を解説

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CPAは、Web広告の費用対効果をはかる指標のひとつです。Web広告を運用する際にはCPAの数値を確認して、より費用対効果の高い施策を実施しましょう。

本記事では、CPAの概要や活用するメリット、CPAの改善ポイントなどをみていきます。効率的なWeb広告運用をおこなうためにも、ぜひ参考にしてみてください。

CPAとは?

CPAは「Cost Per Acquisition(Action)」の頭文字を取ったもので、1件あたりのコンバージョンにかかった広告費のことです。顧客獲得単価とも呼ばれています。コンバージョンとは商品の購入やサービスの申し込み、問い合わせや資料請求など、Web広告から最終的に誘導したいユーザーのアクションで、CPAは広告の費用対効果をはかる指標として使われます。

CPAが必要な理由

Web広告の運用でCPAが必要とされている理由は、CPAで広告運用の費用対効果がわかるためです。CPAの値が低いほど、コストを抑えながら広告の成果を出せたことになります。逆に、CPAの値が高かった場合、1件の成果を出すために多くの費用がかかったことを意味します。

Web広告は定期的に成果を確認して、改善を重ねていかなければなりません。その際、CPAは効率的に広告運用ができているかどうかをチェックする指標として役立ちます。

CPAの具体例

CPAを活用する具体例として、複数の広告の成果を比較するケースがあります。例えば、「広告費50万円・コンバージョン5件」と「広告費100万円・コンバージョン20件」の2つを比較してみましょう。

CPAは、以下の計算式で求めます。

  • CPA=広告費用÷コンバージョン数

上記の2つのCPAを算出すると、それぞれ以下になります。

  • 広告費50万円・コンバージョン5件の場合:50万円÷5件=10万円
  • 広告費100万円・コンバージョン20件の場合:100万円÷20件=5万円

CPAはそれぞれ10万円と5万円となり、「広告費100万円・コンバージョン20件」の広告のほうが費用対効果が高いとわかります。

CPAを活用するメリット

CPAを活用するとさまざまなメリットがあります。ここでは、CPAを活用するメリットを2点紹介します。

施策の費用対効果を可視化できる

CPAを活用すると、1件あたりのコンバージョンにかかった費用を可視化できるのがメリットのひとつです。具体的な数値として広告の成果を確認できるため、施策を客観的に評価しやすくなります

単純な売上や広告費だけでは、詳細な費用対効果はわかりません。コンバージョン1件あたりの費用を表すCPAを活用すれば、広告の成果を明確に数値で確認できます。

施策を比較して評価できる

先述した具体例のように、施策を比較して評価できるのもCPAを活用するメリットです。複数の施策の成果を比較する場合、広告費用とコンバージョン数に差があると、一見しただけではどの施策の費用対効果が高いのか判断できません。

それぞれのCPAを算出すれば、広告費用やコンバージョン数に差があっても同じ指標で比較できます。施策ごとの成果の比較はWeb広告運用に必須のため、具体的な数値で費用対効果を比較できるCPAが役立ちます。

CPAの設定方法

CPAの目標値を設定して広告を運用するのも効果的です。ここでは、CPAの目標値として使われる「限界CPA」と「目標CPA」についてご紹介します。

限界CPA

限界CPAは、コンバージョンを1件獲得するためにかけられる費用の上限額のことです。商品の単価から、原価を引いた額になります。限界CPAで施策を運用すると、利益が得られないことには注意が必要です。これを避けるため、目標CPAを決めることが必要です。

目標CPA

目標CPAは、その名のとおりCPAの目標値です。コンバージョンを1件獲得するためにかける広告費の目標となる金額です。限界CPAで利益額としたいのはいくらか、経費はいくらかなど、利益や経費としたい額を引いて目標CPAを定めます。

各指標との違い

広告の費用対効果をはかる指標は、CPA以外にもいくつかあります。CPAと混合してしまいやすいものもあるため、ほかの指標についても知っておきましょう。

ここでは、CPAと各指標の違いを解説します。

CPO

CPOは「Cost Per Order」の頭文字を取ったもので、1件の注文(Order)を獲得するためにかかった費用のことです。CPOは「広告費用÷受注件数」で計算し、CPOが低いほど広告の費用対効果が高いことを意味します

CPOとCPAの違いは、CPOは注文数で算出するのに対して、CPAはコンバージョン数で算出する点です。コンバージョンは広告の最終目標で、注文・問い合わせ・資料請求など広告ごとにさまざまな意味で使われます。

コンバージョンとして「注文」を設定している広告の場合は、CPOとCPAは同義になります。

CPR

CPRは「Cost Per Response」の頭文字を取ったもので、無料の会員登録やサンプル請求など、ユーザーからの反応(Response)1件あたりにかかった広告費用のことです。「広告費用÷ユーザーの反応件数」で求められます。

CPRはユーザーから反応があった件数で算出するのに対して、CPAはコンバージョン数で算出するのが特徴です。そのため、コンバージョンを資料請求や会員登録などにしている場合は、CPRとCPAは同じ数値になります。

一方、コンバージョンを商品の注文やサービスへの申し込みにしている場合は、CPRとCPAの数値は異なります。

ROAS

ROASは「Return On Advertising Spend」の頭文字を取ったもので、広告による売上を広告費用で割った数値です。ROASは、以下の計算式で求めます。

  • ROAS(%)=広告経由の売上金額÷広告費用×100

ROASの数値が高いほど広告による売上が多かったことを意味していて、広告の費用対効果をはかる指標の一つです

ROASが全体の売上と広告費用で費用対効果をはかるのに対し、CPAは成果1件あたりの費用対効果を確認するために用います。

ROASについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ROASとは? 活用のメリット・デメリットや改善のポイントを紹介」を読む

CPC

CPCは「Cost Per Click」の頭文字を取ったもので、広告が1回クリックされるためにかかった費用を表しています。「広告費用÷クリック数」で算出し、CPCが低いほど少ない費用で多く広告をクリックしてもらえたと判断できます

CPCは注文や問い合わせなどユーザーのアクションがあったかどうかに関わらず、広告がクリックされた回数で費用対効果をはかるのが特徴です。一方CPAはコンバージョンを基準とするため、広告がクリックされてもその後のアクションにつながらなかった場合はカウントしません。

CPCについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

リスティング広告のクリック単価(CPC)とは? 最適化の方法も解説」を読む

CPM

CPMは「Cost Per Mille」の頭文字を取ったもので、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用を指します。CPMは、以下の計算式で求めます。

  • CPM(円)=広告の掲載にかかる費用÷広告の表示回数×1,000

CPMが低いほど広告を表示する際の費用対効果が高いことを示します。CPMについて、詳しくはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご確認ください。

CPMとは? 概要から計算方法、メリット・デメリットまで幅広く紹介」を読む

CPAの改善ポイント

広告の費用対効果を上げるにはCPAをなるべく低く抑える必要があり、これを「CPAを改善する」と表現します。

ここでは、CPAを改善するためのポイントをみていきましょう。

広告のクリック単価を下げる

クリック単価とは先述のCPCのことで、広告が1回クリックされるためにかかる費用です。広告をクリックして訪れたサイトでコンバージョンが発生する仕組みとなっているため、クリック単価を下げればそれだけ少ない費用でコンバージョンの獲得が期待でき、CPAの改善につながります

CPCは「広告費÷クリック数」で決まるため、クリック率を上げてCPCを下げ、CPAの改善を目指しましょう。

広告文やキーワードを見直す

広告文やキーワードを見直すとクリック率が上がり、結果的にCPAの改善が期待できます

「ターゲット層の目を引く広告文になっているか」「設定しているキーワードは適切か」「広告文とリンク先サイトの内容に齟齬がないか」などを見直し、クリック率やコンバージョン数を上げてCPAの改善につなげましょう。

CPAを活用する注意点

CPAは広告を活用するうえで気を付けなければならない点があるため、注意が必要です。ここではCPAを活用する注意点を紹介するので、併せてチェックしておきましょう。

CPAを下げることだけに固執しない

CPAを下げることは大切ですが、それだけに固執しないように気を付けましょう。「CPAを下げるために広告費を減らした結果、コンバージョン数も減ってしまった」などのケースもあります。CPAを低く抑えるための施策がコンバージョン数まで減らしてしまわないよう、注意しなければなりません

CPAと他の指標を組み合わせて改善する

近年、サイトを訪れたユーザーがコンバージョンに至るまでの行動が複雑化しています。例えば、ディスプレイ広告のクリックでコンバージョンにつながったユーザーの場合、その前にリスティング広告や自社サイトに接触していた可能性もあり、何がコンバージョンの決め手になったのかCPAだけでは判断できません。

CPAはコンバージョンに至る直前の効果しか計測できないため、他の指標を組み合わせて総合的に結論を導くようにしましょう

CPAの算出で広告の費用対効果を意識しよう

CPAはWeb広告の費用対効果をはかる重要な指標で、コンバージョン1件あたりの費用を数値として知りたいときや、複数の施策の効果を比較するときに役立ちます。広告の費用対効果を上げたい場合はCPAをチェックして、改善を目指しましょう。

CPAはクリック単価を抑えたり広告文を見直したりすると改善が期待できます。ただし、本記事で紹介したとおりCPAだけに固執せず、他の指標も考慮しながら効率のよい広告運用を目指しましょう。

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