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ディスプレイ広告のオーディエンスカテゴリーとは? 種類や活用メリットを解説
ディスプレイ広告のオーディエンスカテゴリーターゲティングは、ユーザーの興味関心、購買意欲、属性、ライフイベントで広告配信を絞り込める機能です。
本記事では、ディスプレイ広告のオーディエンスカテゴリーとは何か、種類、活用メリット、活用シーン、注意点などの基礎知識を解説しています。ターゲティングの精度を高めるための参考にしてください。
ディスプレイ広告のオーディエンスカテゴリーとは?
オーディエンスカテゴリーターゲティングは、特定のカテゴリーに興味や関心がある人、特定のカテゴリーに購買意向を持っている人、特定の属性やライフイベントがある人などに広告表示できる機能です。この機能の設定項目を、オーディエンスカテゴリーといいます。
オーディエンスカテゴリーターゲティングでは配信先を絞り込めるため、認知度向上やブランド認知、行動喚起(商品購入や問い合わせなど)など、さまざまな目的に活用できます。例えば、美容に関する製品を扱うECサイトなら「ショッピング」と「美容、健康」のカテゴリーに興味・関心があるユーザーを設定すれば、見込み度が高いユーザーに絞った広告配信が可能です。
サイトカテゴリーとの違い
オーディエンスカテゴリーは人に対するターゲティングであるのに対し、サイトカテゴリーは場所(Webサイト)に対するターゲティングです。
オーディエンスカテゴリー | サイトカテゴリー | |
---|---|---|
ターゲティングの種類 | 人 | 場所 |
設定項目 | 広告表示する人のカテゴリー | 広告掲載先のWebサイトのカテゴリー |
具体例 | ショッピング(興味関心)不動産(購買意欲)家族構成(属性)ライフイベントなど | ニュース、情報系エンターテインメント専門サイト(サービス)など |
さまざまなタイミングでユーザーに接触して購買意欲を喚起したい場合は、広告表示を特定のカテゴリーに興味を持っている人に絞り込めるオーディエンスカテゴリーターゲティングが効果的です。
一方、法人向けの広告のように仕事中のタイミングにビジネスパーソンに対して接触したい場合は、仕事中に訪れそうなサイトカテゴリーを選べるサイトカテゴリーターゲティングを活用するとよいでしょう。
オーディエンスカテゴリーの種類
オーディエンスカテゴリーは、大きく分けると「興味関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」の3種類に分けられます。それぞれの概要と用途を解説します。
▼興味関心のカテゴリー例
カテゴリー区分 | カテゴリー名 |
---|---|
ショッピング | ショッピング |
ショッピング/買い物好き | |
ショッピング/高級ブランド好き | |
旅行 | 旅行/旅行好き |
旅行/旅行好き/家族旅行 | |
旅行/旅行好き/スノーリゾート | |
ニュース、情報メディア | ニュース、情報メディア/ニュース好き |
ニュース、情報メディア/ニュース好き/政治 | |
ニュース、情報メディア/ニュース好き/テクノロジー(IT) | |
旅行 | スポーツ、フィットネス/スポーツ好き |
スポーツ、フィットネス/スポーツ好き/野球 | |
スポーツ、フィットネス/スポーツ好き/競馬 | |
銀行、金融 | 銀行、金融 |
銀行、金融/投資家 | |
メディア、エンターテインメント | メディア、エンターテインメント/テレビ好き |
メディア、エンターテインメント/テレビ好き/国内ドラマ | |
メディア、エンターテインメント/ラジオ好き |
▼購買意向のカテゴリー例
カテゴリー区分 | カテゴリー名 |
---|---|
アパレル、アクセサリー | アパレル、アクセサリー/メンズファッション |
アパレル、アクセサリー/メンズファッション/コート、アウター | |
アパレル、アクセサリー/レディースファッション | |
食品、飲料 | 食品、飲料/食品 |
食品、飲料/レシピ | |
食品、飲料/飲料/お酒/ビール、発泡酒 | |
旅行用品 | アウトドア、釣り、旅行用品/釣り |
アウトドア、釣り、旅行用品/アウトドア、キャンプ、登山 | |
アウトドア、釣り、旅行用品/自転車 | |
コスメ、美容、ヘアケア | コスメ、美容、ヘアケア/スキンケア、フェイスケア商品 |
コスメ、美容、ヘアケア/メイク、化粧品 | |
コスメ、美容、ヘアケア/スパ、美容サービス |
▼属性・ライフイベントのカテゴリー例
カテゴリー区分 | カテゴリー名 |
---|---|
家族構成 | 配偶者の有無 |
独身 | |
同居している親がいる | |
個人年収 | 個人年収/1,000万円以上 |
個人年収/800万円以上1,000万円未満 | |
個人年収/600万円以上800万円未満 | |
世帯年収 | 世帯年収/1,500万円以上 |
世帯年収/1,000万円以上1,500万円未満 | |
世帯年収/800万円以上1,000万円未満 | |
学歴 | 学歴/最終学歴/高校卒 |
学歴/最終学歴/大学、専門学校卒 | |
学歴/最終学歴/大学院卒 | |
ライフイベント | ライフイベント/大学卒業 |
ライフイベント/結婚 | |
ライフイベント/マイホームの購入 |
オーディエンスカテゴリーの種類については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
オーディエンスカテゴリーターゲティングについて詳しく見る
オーディエンスカテゴリーの一覧について詳しく見る
オーディエンスカテゴリーターゲティングについて動画で見る
興味関心(潜在顧客の集客、ブランド認知)
興味関心のオーディエンスカテゴリーは、商品やサービスに興味関心を示している潜在層に対する広告に使います。具体的には認知度向上やブランディングのための広告や、潜在層に幅広く配信する集客広告などに設定します。
Yahoo!広告の第一階層のカテゴリーは以下のとおりです。
- ショッピング
- 旅行
- ニュース、情報メディア
- スポーツ、フィットネス
- 銀行、金融
- メディア、エンターテインメント
- ゲーム
- ライフスタイル、趣味
- インテリア、DIY
- グルメ、料理
- 美容、健康
第二、第三階層のカテゴリーを設定すれば、さらに細かいターゲティングが可能です。例えば「スポーツ、フィットネス>スポーツ好き>サッカー」のように設定すると、自社のターゲット層に近づけられます。
興味関心のオーディエンスカテゴリーは、興味や関心は持っているが、情報収集を含めて具体的な行動を取っていないことが特徴です。したがって、「商品購入はこちら」などの直接的な訴求をすると成果が出ないケースもあります。興味関心のフェーズからどのフェーズに引き上げたいのか、事前に明確にしておきましょう。
購買意向(見込み顧客へのアプローチ)
購買意向のオーディエンスカテゴリーは、比較検討をしている顕在層に対して使います。商品検索しているユーザー、商品をカートに入れたことのあるユーザー、旅行や結婚などの計画を立てているユーザーなどです。
購買意向のカテゴリーは商品カテゴリーに似ています。Yahoo!広告の第一階層のカテゴリーは次のとおりです。
- アパレル、アクセサリー
- 食品、飲料
- アウトドア、釣り、旅行用品
- コスメ、美容、ヘアケア
- ダイエット、健康
- 家電、スマホ、カメラ
- コンピューター、周辺機器
- ソフトウエア
- ビジネスサービス
- 家具、インテリア
- DIY、工具
- ギフト
- 行事
- ペット、ペット用品
- 幼児、子供向け製品
- 教育
- スポーツ、フィットネス
- 旅行、交通
- 飲食店
- 求人
- 自動車、バイク
- 不動産
- 金融
- ゲーム、エンターテインメント
例えば、「自動車、バイク>自動車>ボディータイプ>ステーションワゴン」のように設定すれば、よりターゲット層に近づけられます。そして、オーディエンスカテゴリーから推測される見込み客のニーズに合った広告を作れば、コンバージョン率を高められるでしょう。
属性・ライフイベント(顧客層を指定したアプローチ)
属性・ライフイベントは、顧客層を指定したアプローチをしたいときに使います。例えば、特定の家族構成や年収などの属性を持っているユーザー、就職や結婚などのライフイベントをひかえるユーザーに広告配信したい際などが挙げられます。
Yahoo!広告の第一階層のカテゴリーは次のとおりです。
- 家族構成
- 個人年収
- 世帯年収
- 世帯資産
- 学歴
- 仕事
- ライフイベント
ディスプレイ広告では年齢や性別などの多様なターゲティングができますが、属性・ライフイベントのターゲティングを組み合わせれば、さらに具体性を増せます。また「ライフイベント>出産」などのようにライフイベントを設定すれば、ニーズが高まったタイミングで接触しやすくなります。
オーディエンスカテゴリーを活用するメリット
オーディエンスカテゴリーを活用すれば接点拡大やコンバージョン率向上、広告費の削減を見込めます。
興味関心があるユーザーに訴求できる
オーディエンスカテゴリーを活用すると、なんとなく興味を持っているユーザーに対して訴求がしやすくなります。例えば、興味関心のカテゴリーに関するサイトを閲覧したり、関連キーワードを検索したりする潜在層などです。
このような初期段階の潜在層へは、年齢や性別などのターゲティングだけではアプローチしにくい面があります。関連度があるユーザーに絞ってリーチを広げたい場合、興味関心のオーディエンスカテゴリーが役立ちます。
見込み顧客との接点をつくれる
新規事業を立ち上げた際や、自社の既存顧客が少ない場合は、見込み顧客との接点がないため、販促DMや営業、自社サイトを訪問したユーザーに広告表示するリターゲティング広告などは使用できません。
このような場合は、購買意欲のオーディエンスカテゴリーを設定すれば、コンバージョンに近い見込み客にアプローチできます。例えば、自社に関連した商品を検索したユーザーや、競合他社のサイトでカートに入れるなどの行動を取ったユーザーです。
集客施策が軌道に乗っていない段階から効率的な広告配信ができるのは、オーディエンスカテゴリーの大きなメリットです。
不要なコストを抑えられる
ディスプレイ広告のターゲティングにオーディエンスカテゴリーを追加すると、ターゲットを絞った配信ができるようになります。例えば、ある性別・年齢層に高級路線の商品を販売する場合、年齢・性別ターゲティングとオーディエンスカテゴリーを組み合わせられます。具体的には「個人年収1,000万円以上1,500万円以下」の設定などが考えられるでしょう。
見込み度の高いユーザーに絞ることで、不要なコストが発生しにくくなります。また、広告表示数も減るため、インプレッション課金(広告1,000回表示ごとに発生する料金)の費用を抑えられます。
ただし、カテゴリーを絞りすぎると配信数が大幅に減る可能性があるため、広告管理ツールで実績値、推測値を確認しながら調整が必要です。
オーディエンスカテゴリーを活用したいシーン・業種
ここではECサイトやハウスメーカーなど具体的な活用シーンを取りあげ、オーディエンスカテゴリーの設定例を解説します。
ECサイトで活用するとき
ECサイトを経営している場合は、オーディエンスカテゴリーターゲティングを使って、競合他社のいわゆる「カゴ落ち」ユーザーを狙ってアプローチできます。商品をカートに入れながらも購入にいたっていない「カゴ落ちユーザー」は、コンバージョンに非常に近いユーザーのため費用対効果の高い広告表示が可能です。
もちろん自社のカゴ落ちユーザーではないため、詳細な情報はわかりません。しかし、自社のカゴ落ちユーザーより多くのターゲットにアプローチできます。サイトリターゲティング広告は自社サイトを訪問したユーザーにしか配信できませんが、オーディエンスカテゴリーターゲティングを使えば自社サイトの訪問履歴に関係なく配信できます。
住宅・冠婚葬祭などライフイベントの業種で活用するとき
ハウスメーカーや結婚式場、就職サイトなどライフイベントに関連した業種は、ライフイベントのオーディエンスカテゴリーが効果的です。ニーズが高まったタイミングで広告を見てもらうことで、コンバージョンにつなげやすくなります。
例えば以下のようにライフイベントを設定すれば、成果につなげやすいタイミングで効率的に接触できるでしょう。
- ハウスメーカー
→ライフイベント/マイホームの購入
- 結婚式場
→ライフイベント/結婚/近々結婚予定、最近結婚した
- 就職サイト
→ライフイベント/大学卒業/近々卒業予定、最近卒業した
他にも、さまざまな業種で応用が可能です。例えば「引っ越し」のライフイベントであれば、新たな家具や家電を購入する可能性が高いため、家具メーカーや家電ECサイトなどが広告出稿を検討できるでしょう。
オーディエンスカテゴリーを活用するときの注意点
オーディエンスカテゴリーターゲティングでは、カテゴリーの広げすぎに注意が必要です。Yahoo!広告では、同一のターゲティング内で複数のカテゴリーを選択した場合、OR(AまたはB)の組み合わせになります。
仮に興味関心のオーディエンスカテゴリーで「ショッピング」「旅行」「スポーツ、フィットネス」の3つを選択すれば、たしかに広告配信数は増やせます。しかし、無駄な広告表示も増えてしまう可能性があります。
したがって、はじめは自社の商品と直接関連するカテゴリーから配信してみるのがおすすめです。効果を検証しながら徐々に配信を広げていけば、広告費を抑えながら成果を上げられます。
Yahoo!広告のオーディエンスカテゴリーの使い方
Yahoo!広告でオーディエンスカテゴリーを設定する流れは以下のとおりです。
- 広告管理ツールにログインして、サイドメニューの「オーディエンスカテゴリー」から「編集」ボタンをクリックする。
- ターゲティングを設定する広告グループにチェック→「決定して進む」ボタンをクリックする。
- オーディエンスカテゴリー編集画面の「オーディエンスカテゴリーを指定して配信」を選択する。
- 「興味関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」からカテゴリーを選択する。
カテゴリー選択の際は、カテゴリーごとに推定リーチ数(接触できるユーザー数)が表示されます。配信範囲の広げすぎ、狭めすぎに注意しながらカテゴリーを選びましょう。
- 「設定」ボタンを押して設定完了。
ディスプレイ広告のオーディエンスカテゴリーで精度の高い運用をしよう
ディスプレイ広告のオーディエンスカテゴリーは、人を対象にしたターゲティング機能の一つです。オーディエンスカテゴリーを活用すれば、自社のターゲット像に近いユーザーへの接触、ライフイベントに合わせた接触など、ターゲティング精度を高められます。
Yahoo!広告では広告グループ単位のオーディエンスカテゴリーターゲティングを、画面操作だけで設定できます。他のターゲティング機能とも組み合わせながら、精度の高い広告運用をしていきましょう。
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