インプレッションとは? 重要な理由、関連指標や増やす方法を紹介
Webマーケティングでは「インプレッション」という単語がよく出てきます。インプレッションはWeb広告の効果を測定するうえで重要な指標ですが、他にもさまざまな指標があるため区別ができていない人もいるのではないでしょうか。
本記事では、インプレッションの意味や間違えやすい指標、算出方法などを解説します。なぜインプレッションが重要なのかもご紹介するので、Web広告の担当者やWeb広告の導入を検討している人は参考にしてください。
インプレッションとは?
インプレッションとは、「広告が表示された回数」のことです。例えば同じユーザーに広告が2回表示された場合、インプレッションも2になります。
広告が表示されなければそのあとのアクションにつながらないため、インプレッションの獲得はクリックやコンバージョンにつなげる役割があります。また、詳しくは後述しますが、広告の費用対効果となる指標を計算する際に、インプレッション数が必要です。そのため、インプレッションはWeb広告を運用するうえで重要な指標といえます。
各媒体におけるインプレッションの考え方
インプレッションは、Web広告以外にSNS広告や自然検索結果でも使われる考え方です。Web広告のインプレッションは、先ほど紹介したとおり「広告が表示された回数」を指します。SNS広告のインプレッションも、Web広告と同様のカウント方法です。自然検索のインプレッションは、検索エンジンの検索結果画面に対象のWebページが表示された回数を指します。
本記事では、Web広告のインプレッションについて詳しく解説していきます。
インプレッションに関連する指標
「広告がどのくらい表示されたか」を示すインプレッションは重要な指標ですが、インプレッション単体では広告の費用対効果までわかりません。インプレッションを使って広告費の分析をするには、「コスト・パー・インプレッション」や「コスト・パー・ミル」と呼ばれる指標を使います。
ここでは、2つの指標について解説します。
コスト・パー・インプレッション(CPI)
コスト・パー・インプレッションは、広告を1回表示するためにかかったコストです。発生した広告費をインプレッション数で割って算出します。
コスト・パー・ミル(CPM)
コスト・パー・ミルは、広告を1,000回表示するためにかかったコストです。「ミル」はラテン語で「1,000」を意味します。
広告の運用コストの指標になるだけでなく、「CPM単価」として使われるケースもあります。CPM単価とは、広告が1,000回表示されるごとに広告費が請求される課金体系のことです。
CPMについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「CPMとは? 概要から計算方法、メリット・デメリットまで幅広く紹介」を読む
インプレッションと間違えやすい指標
インプレッションは、ページビュー(PV)やリーチと間違いやすいので注意しましょう。ページビューとリーチは、それぞれ違う意味があります。
ここでは、インプレッションと間違いやすい2つの指標について、それぞれインプレッションとどう違うのかを解説します。
ページビュー(PV)
「ページビュー(PV)」は、Webページが閲覧された回数です。もともと1つのWebページに1つの広告掲載が基本だったため、ページビューとインプレッションはどちらも1になり、同じ意味と考えられてきました。しかし現在は、1つのWebページに複数の広告掲載が可能です。そのため、例えば同じWebページの中に2つの広告が掲載されている場合、ページビューは1で、インプレッションは2になります。
ページビューとインプレッションは、ページの閲覧数と広告の表示回数の違いがあるため、必ずしも同じ数値にはならないと覚えておきましょう。
リーチ
「リーチ」は広告を見たユーザー数をカウントします。そのため同じユーザーが広告を数回見た場合もリーチは1になります。
一方、インプレッションは前述したとおり、同じユーザーが3回広告を見た場合、インプレッションも3になります。「インプレッションが多いと思ってリーチを確認したら、すべて同一ユーザーだった」などのケースもあるため、インプレッションだけでなくリーチも指標にするのがおすすめです。
リーチは、ブラウザーやデバイスに保存される情報によりユーザーを識別する点に注意が必要です。例えば、同じユーザーがスマートフォンとパソコンでそれぞれ1回ずつ広告を見た場合、本来であれば1人のユーザーですが、デバイス単位で認識するリーチは2になります。
リーチについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
Webサイトにアクセスしただけではカウントされないことも
インプレッションのカウント方法は、広告の出稿先によって変わります。
例えば、ページの上部と下部にそれぞれ広告がある場合、ユーザーが途中でページを離脱してしまうと下部の広告は画面に表示されません。これをインプレッション2とカウントする出稿先もあれば、下部の広告は表示されなかったとしてインプレッション1とカウントする出稿先もあります。
Yahoo!広告では、インプレッション数は「広告が配信された回数」としています。ページの上部と下部に広告が配信された場合、ユーザーが途中でページを離脱し、下部の広告が表示されていなくても、インプレッション数は1とカウントされます。
また、広告が実際に表示されたかどうかを確認する指標である、ビューアブルインプレッションも導入しています。Yahoo!広告のビューアブルインプレッションは、広告の50%以上が1秒以上画面に表示されると1とカウントします。
このように、独自のインプレッション関連指標を採用している出稿先もあるため、各媒体がインプレッションをどう定義しているかの確認が必要です。
主なインプレッションの数え方
ここでは、主なインプレッションの数え方について解説します。
リクエストベース
リクエストベースは、アドサーバーへのリクエスト回数=インプレッション数としてカウントする方法です。アドサーバーとはWeb広告の配信をおこなうサーバーで、多くのアドサーバーがリクエストベースを採用しています。
OTSベース(Opportunity to See Base)
OTSベースは、実際に広告が表示されたときに「表示された」と通信をおこなうことで計測する方法です。一般的には、JavaScriptで計測されます。実際に広告が表示されたときにカウントするため、より正確な数値が確認できるのが特徴です。
広告運用においてインプレッションが重要な理由
広告運用でインプレッションを重要視する理由は、「広告をユーザーに届けなければ広告の成果が出ないため」です。
広告のクリックやコンバージョンにつなげるためには、まず広告が掲載されなければなりません。そのため、どのくらい広告が表示されたかがわかるインプレッションは大切な指標です。
また、インプレッションは他の重要な指標を求めるための計算にも使われます。例えば、広告がどのくらいクリックされたかわかる「クリック率」は、以下の式で求めます。
クリック率(%)=クリック数÷インプレッション数×100
クリック率やコンバージョン率は、広告の費用対効果を測定するために使われる重要な指標です。コンバージョン率が高いほど、少ない広告費で成果が出せたことになります。
ただし、「インプレッションは多ければ多いほどいい」わけではない点に注意しましょう。インプレッションが多くても、クリックやコンバージョンが少なければ、広告の成果が出ているとはいえません。
インプレッションを増やして、より多くのユーザーに広告を届けることは大切ですが、同時にクリック率やコンバージョン率を上げるための施策も必要です。
インプレッションを増やすには
ここでは、インプレッションを増やす方法を詳しく解説します。
予算を増やす
Web広告はあらかじめ予算を設定し、その予算内で広告費が収まるようにシステムが自動で調整します。「広告を配信すると予算がオーバーする」とシステムが判断した場合、広告配信のチャンスがあっても広告は配信されません。
そのため、予算を増やすと、上記のように予算が原因で広告が配信できなくなるケースを減らせます。
Yahoo!広告では、予算が原因でインプレッションが得られなかった割合を表す「インプレッション損失率(予算)」が確認できます。この数値が高かった場合は、予算を増やすことでインプレッションの改善が期待できるでしょう。
入札単価を調整する
広告が配信されるかどうかは、オークションによって決まります。オークションランクの高い広告から優先的に配信される仕組みで、ランクは入札単価や広告の品質によって算出されます。
オークションで上位に入れないことが原因で広告を配信できていない可能性があるなら、入札単価を調整してみましょう。入札単価を上げるとオークションランクも上がり、インプレッションの増加につながるかもしれません。
ターゲティングや広告掲載方式を見直す
広告のターゲットを明確にするのは大切ですが、配信対象のユーザー属性を過度に絞り込むと広告が配信されにくくなるケースがあります。性別や年齢などのターゲティングは重要ですが、地域や曜日、時間帯まで細かく設定している場合は、一度見直すことをおすすめします。
キーワードやマッチタイプを変更する
キーワードの変更も、インプレッションを増やすために有効です。新しくキーワードを追加すれば、広告を配信できる可能性が高まります。
キーワードを見直す際にはキーワードの変更や追加だけでなく、ロングテールキーワードも設定してみましょう。ロングテールキーワードとは、複数の単語を組み合わせたキーワードのことです。
単体のキーワードは検索ボリュームが大きい分、広告を配信したいと考える競合の数も増えます。多くのライバルにオークションで勝てなければ、インプレッションは増やせません。
キーワードの見直しと同時に、マッチタイプも見直してみてください。マッチタイプが「完全一致」になっている場合は、「部分一致」や「フレーズ一致」に変更するとインプレッションを増やすことができます。また、ユーザーが検索しないようなキーワードを設定してもインプレッションは伸びないため、ユーザーの検索意図を想定したキーワードに絞ることも大切です。
広告の品質を上げる
広告配信を決めるオークションランクは入札単価と広告の品質で決まります。そのため、広告の品質を上げればオークションランクも上がり、インプレッションを増やせる可能性があります。
広告の品質を上げれば入札単価を下げてもランクをキープできるので、広告の費用対効果の改善も可能です。
広告の品質について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「広告の品質について」を読む
インプレッションとあわせて確認したい指標
インプレッションとあわせて、「ビュースルーコンバージョン」や「フリークエンシー」も確認しておきたい指標です。
ここでは、これら2つの指標について解説します。
ビュースルーコンバージョン
ビュースルーコンバージョンは、広告をスルーしたユーザーがその後別のルートでサイトを訪問して発生したコンバージョンのことです。ビュースルーコンバージョンを計測すると、広告がユーザーに与えた間接的な効果がわかります。
インプレッション数に対してクリックやコンバージョンが少ない場合でも、ビュースルーコンバージョンが多ければインプレッションの効果が出ていると判断できます。
ビュースルーコンバージョンについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「ビュースルーコンバージョンについて」を読む
フリークエンシー
フリークエンシーは、広告が同じユーザーに配信された回数のことです。フリークエンシーが多すぎると同じユーザーに対して何度も広告を配信していることになり、ユーザーに不快感を与えている可能性があるため注意しましょう。フリークエンシーが多くなりすぎないように、同一ユーザーへの広告配信回数の上限を設定する「フリークエンシーキャップ」の活用がおすすめです。
フリークエンシーについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「フリークエンシーとは? リーチとの違いや適切な回数の決め方」を読む
フリークエンシーキャップについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「フリークエンシーキャップについて」を読む
インプレッションはWeb広告の重要指標
インプレッションとはユーザーに対し広告が表示された回数のことで、Web広告を運用するうえで重要な指標です。広告が表示されてはじめてユーザーへ訴求ができるため、インプレッションを増やすことは大切です。
ただし、インプレッションのカウント方法は広告の出稿先によって定義が変わります。そのため、事前にどのような場合にインプレッションと数えられるのか、媒体に確認しておくと安心です。
Yahoo!広告なら、「ビューアブルインプレッション」「インプレッション損失率(予算)」など、インプレッションに関連するその他の指標も確認できます。導入後のサポートはもちろん、導入前にも無料の個別カウンセリングなどを実施しているので、ぜひお気軽にお問合せください。
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