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ターゲットとは? 重要性やSTP戦略との関係性、設定の方法やWeb広告に活用するポイント
マーケティングや営業の世界では、「ターゲット」や「ターゲティング」などの言葉がよく使われます。ターゲットとは自社製品の対象となる顧客層のことで、適切にターゲットを設定できるかどうかでマーケティングの成果が変わってきます。
本記事では、ターゲットの重要性や設定方法について詳しくみていきましょう。ターゲット設定時の注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングにおけるターゲットとは?
はじめに、マーケティングにおける「ターゲット」とはどのようなものなのか解説します。
ターゲットの定義
ターゲットは「標的」や「まと」などの意味を持つ言葉で、マーケティング分野では自社の商品やサービスの想定顧客層を指します。年齢や性別、職業などでアプローチするユーザー層を絞り込むことを、「ターゲット設定」や「ターゲティング」といいます。
ターゲットの種類3つ
ターゲットを設定する方法には、3つの種類があります。ここでは、ターゲット設定の3つの種類をみていきましょう。
無差別型
無差別型は、年齢や職業などのユーザー属性でターゲットを絞らず、幅広い層にアプローチする手法です。一つの商品を大量生産して、すべてのユーザーを対象とするマスマーケティングなどは、無差別型に当てはまります。
差別型
差別型は、複数のターゲット層に対してそれぞれに合わせた商品を展開する手法です。分化型ともいわれ、ターゲットに合わせて商品の特徴やアプローチ方法を変えて、売上アップなどを目指すときに活用されます。
集中型
集中型は特定のターゲット層に対してアプローチする手法で、見込み客を絞り込んで集客します。高級ブランドやニッチな商品など、ある特定のユーザー層を対象としている商品やサービスのマーケティングで活用されます。
セグメント・ペルソナとの違いとは?
ターゲットと混同されやすいマーケティング用語に、「セグメント」と「ペルソナ」があります。
ペルソナは、自社製品のターゲットをより細かく絞り込んだ具体的な人物像のことです。大まかな属性だけでなく、趣味や価値観、ライフスタイルなどを設定してリアリティのある一人の人物を作り上げます。ターゲットもペルソナも、「自社製品を使ってくれる人」を想定する点では同じです。しかし、ペルソナが具体的な架空の人物を作り上げるのに対し、ターゲットは年齢や居住地、消費行動などから実在するユーザー層を想定している点が異なります。
セグメントは、見込み客をユーザー属性ごとにグループ分けしたものです。一方ターゲットとは、セグメントのなかから「この層にアプローチする」と選んだグループを指します。セグメントは、ターゲットの候補となるグループの集合のような位置づけです。
セグメントについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
ターゲットを設定する重要性
マーケティングでは、ターゲット設定が重要とされています。その理由は、ターゲットが明確になっていなければ、獲得したい顧客層への的確なアプローチが難しいためです。ユーザー属性によって効果的なアプローチ方法が異なり、狙いたいユーザー像があやふやでは顧客に響くマーケティングはできません。また、ターゲットを絞らずにマーケティングをおこなうと、獲得したいと思っていない顧客層にアプローチしてしまう恐れもあります。
このように、ターゲットを明確にしないままマーケティングを進めると十分な効果が出ず、売上の伸び悩みや無駄な広告宣伝費の発生などを招く可能性があるため、マーケティングの分野ではターゲット設定が重要視されています。
ターゲットとSTP戦略との関係性
STP戦略は、セグメンテーション(S)・ターゲティング(T)・ポジショニング(P)の3つに取り組むマーケティング戦略です。セグメンテーションとは、市場をセグメントに分けることを指します。セグメントのなかからターゲットを選び、選んだ市場における自社の立ち位置を把握するポジショニングをおこなったうえで、マーケティング施策を検討します。
STP戦略の工程にターゲット設定が含まれているため、ターゲットとSTP戦略は切っても切れない関係です。
ターゲット設定のポイント
ここからは、ターゲット設定をおこなうときのポイントを紹介します。
市場規模の分析をおこなう
ターゲット設定をおこなう際、狙う市場が売上目標を達成できる規模があるかどうかを分析しましょう。市場規模が小さいと、顧客を獲得できても目標の売上には達しない可能性があります。
顧客優先度の分析をおこなう
自社製品を顧客目線で見たときに、優先度や関心が高いかどうかの分析も大切です。顧客にとって優先度や関心が高くなければ、大きな売上は見込めません。
市場サイクルの分析をおこなう
売上目標を達成できるかどうかは、顧客の数や消費量などの市場サイクルも重要な要素です。一定の期間でどの程度の購入が見込めるかの分析もおこないましょう。
競合分析をおこなう
狙いたい市場の競合他社の数や、競合製品の特徴や価格などを確認し、競合分析をおこないます。競合の数が少ない場合や、競合製品とうまく差別化できる製品がある場合は、多くの顧客を獲得できる可能性があります。
顧客にアプローチできるか検討する
ターゲットとなる顧客に対して、適切にアプローチできる手段があるかどうかの検討も必要です。例えば、小さな子ども向けの商品を販売する店舗を、単身者の多いエリアに出店してもあまり売上は見込めません。ターゲットに情報を届けられるかどうかは、売上に大きく関わります。
顧客の分析・評価の検討
顧客にアプローチしたあと、効果を分析・評価できるかどうかも検討しなければなりません。マーケティング施策の効果を高めるにはPDCAサイクルを回すことが大切です。効果測定ができなければ課題の把握や改善策の検討が難しくなります。
ターゲット設定の注意点
ここでは、ターゲットを設定する際の注意点を紹介します。
すべての人をターゲット層にしない
なるべく多くの顧客を獲得したいからといって、すべての人をターゲットにするのはおすすめしません。すべての人を対象としたオールターゲットは、ターゲットを設定していないのと同じです。詳細なターゲットを設定しないと、各部署で独自のターゲット設定がおこなわれてマーケティング施策が定まらず、「売上は伸びないのに広告宣伝費だけがかさむ」などの事態を招く恐れがあります。
年齢のみ・性別のみでターゲット設定しない
年齢や性別はターゲット設定に使われる代表的な項目ですが、この2点だけでは適切にターゲットを絞り込めない点に注意しましょう。例えば「20代女性」といっても、職業やライフスタイル、価値観などは人によって大きく異なります。このように、同性・同年代でも同じニーズを持っているとは限りません。よりターゲット層に響くマーケティング施策をおこなうには、細かく属性を絞り込む必要があります。
ターゲットをWeb広告に活用するポイント
ここでは、ターゲットをWeb広告に活用するポイントをご紹介します。
ターゲット層にあわせた広告配信をする
広告を見たユーザーに興味を持ってもらえるよう、ターゲット層にあわせた広告を掲載しましょう。Web広告は、ユーザー属性や検索キーワード、過去のサイト閲覧履歴など、さまざまな情報で広告を掲載するユーザーを指定できます。ターゲット層を意識した広告文やバナーを用意するのはもちろん、Web広告掲載のためのターゲット設定も細かくおこなうと効果的です。
購買意欲や関心度にあわせた広告配信をする
Web広告にはさまざまな種類があるため、ユーザーの購買意欲や関心度の高さに応じたWeb広告を選ぶことも大切です。ユーザーの購買意欲は下記の表のとおり4段階に分けられ、それぞれに適したWeb広告があります。以下の表は、上にいくほど購買意欲が高いことを意味しています。
購買意欲 | 適したWeb広告 |
---|---|
購入 | リスティング広告 |
比較検討 | リターゲティング広告 |
興味関心 | SNS広告・ディスプレイ広告 |
認知 | 動画広告・純広告 |
それぞれの段階と適したWeb広告の種類は、以下で詳しく解説します。
購入の段階
購買意欲が高く、具体的に購入を検討している段階です。この段階のユーザーには、リスティング広告が適しています。検索キーワードと関連性の高い広告を掲載できるため、購買意欲が高まっているユーザーに効率的にアプローチできます。
リスティング広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「リスティング広告とは? 初心者でもわかる仕組みや費用、運用方法を解説」を読む
比較検討の段階
商品の購入を検討していて、自社製品と他社製品を比較している段階です。この段階のユーザーには、リターゲティング広告がおすすめです。リターゲティング広告は自社サイトを訪れたことがあるユーザーに向けて掲載する広告で、他社との比較のために一度自社サイトを離脱したユーザーにアプローチできます。
リターゲティング広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「リターゲティングとは? 仕組みや活用法、今後の動向について解説」を読む
興味関心の段階
商品に興味関心はあるものの、具体的な購入は検討していない段階です。この段階のユーザーには、SNS広告やディスプレイ広告がおすすめです。
SNS広告は、それぞれのSNSに蓄積した独自のデータをセグメントやターゲットの設定に使用できます。例えば、「いいね」などSNS上のユーザーのアクションをターゲット設定に利用でき、興味関心を持っているユーザーを的確に絞り込めます。
ディスプレイ広告は広告を掲載するサイトのジャンルを指定できるため、自社製品と関連のあるサイトの広告枠に広告を掲載すると効果的です。
SNS広告とディスプレイ広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「リスティング広告とSNS広告の違いとは? 組み合わせた使い方も紹介」を読む
「ディスプレイ広告とは? リスティング広告との違いと出稿方法」を読む
認知の段階
自社や商品のことは知っていても、興味や購買意欲は持っていない段階です。この段階のユーザーには、動画広告や純広告がおすすめです。特に動画広告を活用すると文章だけでは伝えにくい内容も表現でき、ユーザーに興味を持ってもらえる可能性が高まります。
純広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
ターゲットを設定して効果的なマーケティングを実現しよう
効果的なマーケティングをおこなうには、適切なターゲット設定が欠かせません。ターゲットが定まらないまま営業や広告運用を始めても十分な効果は期待できないため、まずは市場規模や自社のポジション、競合他社などを分析したうえで、アプローチすべきターゲット層を見極めましょう。
ターゲット層に効率的にアプローチする手段のひとつが、Web広告です。Web広告を活用する際は、購買意欲や関心度に応じて広告の種類を使い分けて、より効果的な広告運用を目指してください。
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