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Webマーケティング入門 公開日:2022.12.20

ディスプレイ広告のターゲティングとは? 種類や成果を出すコツを解説

Yahoo!広告

ディスプレイ広告のターゲティングとは、広告を表示するユーザーや掲載先を絞り込むための設定です。適切なターゲティングをおこなえば、少ない広告費で成果を上げられるようになります。

本記事では、これからディスプレイ広告をはじめる方でもわかるように、ディスプレイ広告のターゲティングとは何か、ターゲティングの種別、ターゲティング設定のコツや手法を解説します。

ディスプレイ広告のターゲティングとは?

Webマーケティングにおけるターゲティングとは、指定した条件を満たすインターネットユーザーに対して広告を表示するための設定です。Web広告ではユーザー属性やアクセス履歴、広告掲載先のWebサイトなどの情報を用いて、広告を見る人を絞り込めます。新聞広告や街頭看板などのマス広告よりも、効率的なアプローチができるのが特徴です。

ディスプレイ広告のターゲティングには、ユーザーの性別、住んでいる地域、配信時間、Webサイトのコンテンツなど、さまざまな設定項目があります。適切にターゲティングできるようになれば、見込み度の高いユーザーに広告を表示できます。

ターゲティングの種類

ターゲティングの種類は、大きく分けると「人」を対象としたものと「広告枠」を対象としたものがあります。

人を対象としたターゲティング

人を対象としたターゲティングとは、ユーザーの性別、年齢、関心を持っているカテゴリーなどによって広告表示を絞り込む方法です。例えば、「50代男性、年収600万円以上、健康食品に関心を持っている」などの条件で広告を絞り込みます。

人を対象としたターゲティングが効果的なのは、商材が特定のペルソナ(典型的なユーザー像)に向けたものである場合です。例えば商材が美顔ローラーなら、一般的にターゲットとなる年齢の女性に広告表示を絞ったほうが効率的です。

広告枠を対象としたターゲティング

広告枠を対象としたターゲティングとは、Webサイトやアプリなどの掲載先、掲載面で広告表示を絞り込む方法です。例えばYahoo!ニュースの映画関連のページ(記事)だけに広告表示する設定などが、広告枠を対象としたターゲティングにあたります。

広告枠を対象としたターゲティングが効果的なのは、商材がさまざまなユーザーを想定している場合です。例えば映画の広告なら、出演俳優が好きな人、休日のデート先を探している人、芸能情報をチェックしたい人など多様なユーザーを対象とするため、WebサイトやWebページで絞り込むのが効率的です。

オーディエンスリスト(類似ユーザー)とは?

オーディエンスリスト(類似ユーザー)は、自社サイトを訪問したユーザーに似たユーザーにアプローチするための機能です。ここではオーディエンスリストの概要、設定方法について解説します。

見込み顧客になる可能性が高いユーザー

自社サイトを訪問したことのあるユーザーと似た属性、行動を持ったユーザーは、見込み度の高いユーザーです。このユーザーの集まりはオーディエンスリスト(類似ユーザー)と呼ばれ、広告を出し分けするのに利用します。

Yahoo!広告の場合は、オーディエンスリストに含まれる過去の訪問ユーザーと、Yahoo! JAPAN内における行動履歴を解析し、Web上の行動履歴が類似しているユーザーを抽出して広告を配信しています。オーディエンスリストを使えば、今のところ接点を持っていない、自社の顧客に似たユーザーに効率的にアプローチできます

オーディエンスリストの拡張範囲調整

オーディエンスリストを作成する際は、自社サイトを訪問した履歴のあるユーザーの類似度を設定できます。Yahoo!広告ではこの類似度を、10段階の拡張範囲で設定可能です。拡張範囲が小さいほど類似度が高く、大きいほど類似度が低くなります

オーディエンスリストの拡張範囲を大きくする

オーディエンスリストの拡張範囲を大きくして類似度を低くすると、幅広いユーザーに広告を表示できます。したがって、拡張範囲を大きくするほどインプレッション数(広告表示数)のボリュームが増えるのが一般的です。

認知度向上やブランディングなどを目的に、幅広い見込み客にディスプレイ広告を見てもらいたい場合、オーディエンスリストの拡張範囲を大きくするのが効果的です。また割引キャンペーンやイベント開催など、短期間で多くの人に知ってもらいたい場合も、拡張範囲を大きくすると効果的です。

ただし、拡張範囲を大きくすると、コンバージョン(商品購入や問い合わせ)につながる確率は低くなります。リーチできるユーザー数とコンバージョン率はトレードオフの関係にあると考えておきましょう。

CVRとは? 重要性や目安、改善方法、CTRとの違いも紹介」を読む

オーディエンスリストの拡張範囲を小さくする

オーディエンスリストの拡張範囲を小さくして類似度を高くすると、見込み度の高いユーザーに絞り込んで広告を表示できます。したがって、拡張範囲を小さくするほどコンバージョン率が高まるのが一般的です。

オーディエンスリストの拡張範囲を小さくするのが効果的なのは、できるだけ獲得効率を維持しながら新規顧客を増やしたい場合です。例えば、リターゲティング広告での成果が頭打ちになっている場合にオーディエンスリストを活用すれば、それほど獲得効率を下げずにコンバージョン数を増やせます。

拡張範囲を小さくすれば、自社顧客の周辺に範囲を広げるような形で、じわじわ顧客数を増やしていけます。ただし、アプローチできるユーザー数は限られます。

Yahoo!広告のディスプレイ広告におけるターゲティング種別

広告のディスプレイ広告におけるターゲティング種別

Yahoo!広告では、以下のように多様なターゲティングが可能です。

種別 特徴 できること 利用例
性別ターゲティング ターゲットの性別を選ぶ
主な顧客層の性別を選んでアプローチできる 女性向け美容品の広告で、女性を指定する
年齢ターゲティング ターゲットの年齢区分を選ぶ 主な顧客層の年齢層を選んでアプローチできる 若者向けスニーカーの広告で18?19歳と20歳?24歳を指定する
オーディエンスリストターゲティング 自社に接触したユーザーに対して、他サイトで広告を表示する 見込み度の高いユーザーに再接触して行動喚起できる
・自社のECショップを訪問したユーザーに広告を配信する
・会員情報やメルマガ読者のアドレスなど、独自に作成した顧客リストを使って広告を配信する
サーチキーワードターゲティング 指定したキーワードで検索したユーザーに対して広告表示する ・検索広告と同じユーザー層にディスプレイ広告を表示できる
・ユーザーニーズに合った広告を表示できる
「保険」というキーワードで検索したことのあるユーザーに対して、Yahoo!ニュースの広告枠に保険の広告を表示する
オーディエンスカテゴリーターゲティング ターゲットの「興味関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」を設定する ペルソナ(典型的なユーザー像)に合った広告を表示できる 以下の3条件を満たすユーザーを選択する
①興味関心=旅行好き、スノーリゾート
②購買意向=旅行、北海道
③属性・ライフイベント=配偶者なし、近々結婚予定または最近結婚した
サイトカテゴリーターゲティング 特定のカテゴリーのWebサイトを選ぶ ターゲットが多く集まるサイトに広告を出せる ・エンターテイメント、映画
・ニュース、情報系
など
プレイスメントターゲティング 広告表示するサイト、表示しないサイトをURLのリストで指定する 広告掲載面を手動設定できる ・配信対象aaa.combbb.com
・配信対象外ccc.com
地域ターゲティング 国、都道府県、市区町村、エリアなどを指定する 商圏内のユーザーだけに広告を表示できる 地元住人向けのヨガスクールの広告で足立区、荒川区、板橋区を設定する
曜日・時間別ターゲティング 広告を表示する曜日、時間帯を選ぶ ユーザーが閲覧しやすい時間帯や、キャンペーンやイベント期間などに合わせて広告表示できる 主婦の家事が落ち着いた時間帯を狙って、平日12:00?16:00を設定
デバイスターゲティング ・ユーザーのデバイス(パソコン、スマートフォン、タブレット)を指定
・スマートフォン、タブレットの場合はOS(Android、iOS)も指定できる
・ターゲットが多く利用しているデバイス、OSを選べる
・広告フォーマットを最適化できる
スマートフォンユーザー対して、縦長の動画広告を表示する
コンテンツキーワードターゲティング 広告掲載面(記事)のコンテンツをキーワードで指定する ・広告に関心を持ちそうなユーザーにアプローチできる
・広告に違和感、場違い感を持たれにくくなる
スキンケア商品の広告で、コンテンツキーワードに「美容」を設定する

成果を出せるターゲティング設定のコツ

どのようにすればターゲティング設定で成果を上げられるのでしょうか。ここでは3つのコツとして、「事前のリサーチ」「目的に応じた出稿先の選定」「定期的なターゲティング設定の見直し」を解説します。

設定前の事前リサーチをおこなう

ターゲティング設定をするには、事前のリサーチが重要です。このプロセスでは、STP分析とペルソナ分析(設定)などが使えます

STP分析は事前リサーチからマーケティング戦略立案につなげる過程で、ターゲティング設定が含まれているのが特徴です。「市場の顧客のグループ分け→ターゲットの選定→自社の立ち位置、戦略を決める」の流れで分析します。また、ペルソナ分析は、アンケート調査や顧客データに基づいて顧客像を明確にするために実施します。

近年はビッグデータを活用するシーンも増えてきました。新事業や最新状況でのターゲティングや、競合のターゲットの把握などにビックデータが用いられています。自社の顧客データで足りない部分を補えば、精度の高いターゲティングが可能です。

ペルソナ分析については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ペルソナとは? ターゲットとの違いと設定時に用いる要素を解説」を読む

ビッグデータからターゲットの詳細な人物像を可視化については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

誰・どこに出稿するのか決める

誰に向けた・どこに向けた配信なのかをブレないように決めておくことが、成果を出すための要です。一貫した出稿をするには、まず認知度向上やブランディングが目的なのか、コンバージョン率アップを目指すのかなど、目的を常に意識してターゲティングする必要があります

仮に認知度向上やブランディングが目的ならば、人のターゲティングは緩めにして、アクセス数の多い出稿先を探すことになるでしょう。例えば、人気Webメディアのトップページなどが候補になります。

一方、コンバージョン率の向上を目指すなら、掲載先のコンテンツを絞り込んで、自社に関心を持つユーザーを狙います。例えばニッチな情報に特化したコミュニティサイトや業界向けメディアなどを指定すれば、見込み度の高いユーザーにアプローチできるでしょう。

定期的にターゲティング設定を見直す

ターゲティング設定は一度設定したら終わりではなく、定期的に見直し、必要に応じて改善します。今まで成果が出ていたターゲティングでも、消費者のトレンドや市場環境の変化によって、成果が出なくなるかもしれないためです

ターゲティング設定を見直すためには成果測定が欠かせません。具体的にはインプレッション数やクリック数、コンバージョン数などを定期的にモニターしてターゲティングを調整します。例えば、コンバージョン数が少ないWebサイトを発見したら、配信対象外のサイトに設定するなどの対策を取ります。

ターゲティング設定に便利な分析方法

STP分析は的確なターゲティング設定をみつけるための便利なフレームワークです。以下の手順を進めていけば、ターゲティング設定および広告運用戦略が決まります。

STP分析

1. セグメンテーション(Segmentation)

市場全体の顧客を特徴によってグループ(セグメント)に分けます。このプロセスはターゲティング設定前の事前リサーチにあたります。

2. ターゲティング(Targeting)

成果につながりそうな特定のニーズを持つセグメントを選んで、ターゲットとして設定します。このプロセスは人や広告枠を対象としたターゲティング設定にあたります。

3. ポジショニング(Positioning)

ターゲットに対する自社の立ち位置(広告の訴求方法)を決めます。このプロセスはターゲティング設定による広告の出し分けや、設定の調整にあたります。

このようにSTP分析を使えば、広告施策全体のなかでターゲティング設定をおこなえます。

ターゲティング設定のコツをつかんで成果アップを目指そう

ディスプレイ広告のターゲティング設定は、広告運用の成果を左右するプロセスです。人や広告枠に関する多様な設定項目があるため、上手に活用すれば、少ない広告費で効率的に集客や顧客獲得をできるようになります。

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