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トリプルメディアとは? 3つの分類と効果的な組み合わせ、メディアの選び方も解説
ユーザーを取り巻く環境が変化していく昨今、企業とユーザーの関係を構築する方法も多様化しつつあります。そんな中で注目されているのが「メディア」の活用です。
本記事では、マーケティングにおける「トリプルメディア」について詳しくみていきましょう。それぞれのメディアの目的や特徴、メディア同士を組み合わせてできることなどを解説しているので、参考にしてください。
トリプルメディアとは?
企業と消費者をつなぐメディアを3つに分類したものをトリプルメディアといいます。「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3種類があり、それぞれのメディアの長所を活かして短所を補い合うマーケティング手法です。
トリプルメディアが注目された背景
トリプルメディアが注目されるようになったのは、ソーシャルメディアの登場が一つの要因だといわれています。消費者と企業の接点となるメディアが多様化し、メディアの特徴に合わせたコンテンツ発信が重要視されるようになりました。
新基準のPESO(PESOモデル)との違い
トリプルメディアの新基準に、「PESO」と呼ばれるモデルがあります。PESOはトリプルメディアのひとつであるアーンドメディアをシェアードメディアとアーンドメディアに細分化し、4つのメディアをマーケティングに活用する考え方です。
トリプルメディアが日本独自のモデルであるのに対し、PESOはアメリカで提唱されたモデルです。ただし近年では、日本でも徐々にPESOモデルが普及し始めています。
トリプルメディアは3つに分類される
トリプルメディアは、オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアの3つに分類されます。
ここからは、それぞれのメディアの目的や特徴を詳しくみていきましょう。
オウンドメディア(Owned Media)
オウンドには「所有する」の意味があり、オウンドメディアは自社で所有しているメディアのことを指します。
目的
オウンドメディアは、コンテンツやデザインにこだわってブランディングをおこなったり、情報提供による興味の喚起やニーズの育成をしたりするために活用されます。
特徴
オウンドメディアは自社で運営するメディアのため、デザインやコンテンツなどを自由に決められるのが特徴です。検索エンジンからユーザーを誘導できれば、広告費をかけずに集客効果が期待できます。
ホームページを使った集客について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
手法
オウンドメディアを活用した手法には、以下があります。
- ブログ
- 自社サイト
- パンフレット など
かかる費用
オウンドメディアの作成を外部に委託する場合は、外注費がかかります。その他、自社サイトの運営にはサーバー利用やドメイン取得などにも費用がかかるのが一般的です。
メリット
オウンドメディアは発信する内容やデザインなどを自由にコントロールできるため、自社の魅力を伝えやすいのがメリットです。競合他社との差別化や、顧客のファン化なども目指せます。戦略に合わせた情報発信ができるため、マーケティングを柔軟におこなえるのもメリットのひとつです。
デメリット
オウンドメディアは検索エンジンからの自然流入がなければアクセスが集まりにくい点がデメリットです。そのため、広告など他の手段と組み合わせた運用が求められます。また、コンテンツを作成する手間や、効果が出るまでの時間がかかる点にも注意が必要です。
活用するときのポイント
オウンドメディアはほかの2つのメディアでは伝えにくい情報も伝えられるため、ユーザーの興味関心に合わせたコンテンツを発信するのがポイントです。デザインも自由に決められるため、競合他社との差別化も意識してみてください。
ペイドメディア(Paid Media)
ペイドメディアは、費用を支払って利用するメディアのことです。主に、各種広告メディアを指します。
目的
ペイドメディアの目的は、自社の露出の拡大や認知度アップ、不特定多数の広いユーザー層へのアプローチなどです。見込み顧客やニーズが明確になっていない潜在層ユーザーとの接点を作る目的でも活用されます。
特徴
広告を利用して広いターゲット層にアプローチできるペイドメディアは、短期間で集客が期待できるのが特徴です。費用はかかりますが効果が出るまでの時間が短いため、即効性を求める場合に活用されます。
手法
ペイドメディアの手法には、以下があります。
- 4マス媒体の広告(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)
- Web広告(リスティング広告・ディスプレイ広告など)
リスティング広告やディスプレイ広告について、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
かかる費用
ペイドメディアは費用が発生するのが前提で、価格は媒体によって異なります。一般的にテレビCMの費用がもっとも高額で、Web広告は比較的低コストで利用できます。ただし、インフルエンサーの起用などは広告費が高額になるケースもあるため注意が必要です。
メリット
Web広告のように詳細なターゲティングができる媒体を利用すれば、効率的な集客が可能です。広告媒体がメディアを掲載してくれるため即効性があり、うまく運営すれば費用対効果の高い集客ができます。
デメリット
ペイドメディアのデメリットは、広告費用がかかることです。特に、ターゲティングが不十分だと見込みの低いユーザーにまでアプローチしてしまい、無駄な広告費が発生するケースもあるため注意しましょう。
活用するときのポイント
ペイドメディアの費用対効果は、どのようなターゲティングをおこなうかによって大きく左右されます。そのため、ペイドメディアの活用ではターゲティングの精度が最大のポイントです。また、Web広告ではキーワードやクリエイティブの定期的な見直しや更新も求められます。
ターゲティングについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
アーンドメディア(Earned Media)
アーンドメディアとは、SNSやブログなど、消費者の意見や評価が反映されたメディアのことです。
目的
「獲得する」という意味の「アーンド」が使われているとおり、アーンドメディアの目的はファンからの信頼や評価、共感などの獲得です。消費者自身が発信するメディアのため、リアルな意見を収集できます。
特徴
アーンドメディアの特徴は、ほかの2つのメディアと違って企業ではなく消費者が発信する点です。自社サイトや広告のように企業による内容のコントロールは不可能で、市場のトレンドや消費者からの評判を把握するために活用されます。
手法
アーンドメディアの手法には、以下があります。
- 個人のブログ
- 口コミサイト
- 各種SNS など
かかる費用
SNSは基本的に無料で利用できるため、アーンドメディアは費用がかからないケースも多いです。ただし、企業が情報を掲載できるような口コミサイトの利用には、費用がかかる場合があります。
メリット
ユーザーの多いSNSは情報の拡散が期待でき、ユーザー自身で情報を収集できるため、効率的な集客が可能です。また、消費者のリアルな意見を集められる点や、企業アカウントを作成すればユーザーと双方向でやりとりできる点もメリットです。
デメリット
SNSで拡散されるかどうかは、誰にも予測ができません。そのため、必ずしも集客につながるとはいえない点がデメリットです。また、場合によっては炎上する可能性もあり、評判を落としてしまうケースもあります。
活用するときのポイント
アーンドメディアでは炎上などのリスクも考慮して、慎重な情報発信を心がけましょう。企業アカウントの運営では、ユーザーからの好感度を高めることも重要です。また、不満などネガティブな内容の発信を見つけたら、積極的に商品やサービスの改善につなげるのもポイントです。
トリプルメディアの組み合わせでできること
トリプルメディアは単体での使用だけでなく、組み合わせて利用するとより効果的です。
ここでは、3つのメディアの組み合わせでできることを解説します。
トリプルメディアの軸はオウンドメディア
トリプルメディアを活用するうえで前提となるのが、オウンドメディアが軸になることです。
オウンドメディアがもっとも自由度が高く、ユーザーに伝えたいコンテンツを掲載できます。オウンドメディアを軸にアーンドメディアやペイドメディアを組み合わせて、オウンドメディアの短所を補うようにしましょう。
オウンドメディア×アーンドメディア
オウンドメディア×アーンドメディアの組み合わせでは、アーンドメディアから収集した口コミを自社サイトのコンテンツの一つとして掲載するなどの活用方法があります。例えば英会話スクールなら、スクールのホームページに口コミサイトやSNSから得た生徒のコメントや試験の合格実績などを掲載すると、競合他社との差別化や訴求力向上に効果的です。
ペイドメディア×オウンドメディア
ペイドメディア×オウンドメディアの組み合わせとして、Web広告のリンク先を自社サイトやブログにするといった活用方法があります。例えば、自社サイトを一度閲覧したユーザーに向けて掲載できるリターゲティング広告を使えば、ペイドメディア経由でオウンドメディアに再訪してもらえるかもしれません。
リターゲティングについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
トリプルメディアで使うメディアの選び方
トリプルメディアは目的に応じてどのメディアを採用すべきか優先順位が変わります。メディアごとにメリット・デメリットがあるため、それぞれの特徴を理解したうえで活用するメディアを選びましょう。
ここでは、トリプルメディアで使うメディアの選び方を解説します。
新規顧客へアプローチしたいとき
新規顧客へアプローチしたい場合は、オウンドメディアやペイドメディアを活用しましょう。幅広いユーザーへアプローチできるペイドメディアは認知度向上に効果的で、企業や製品について詳しい情報提供ができるオウンドメディアは、ユーザーに自社のことをよく知ってもらうために役立ちます。
中長期的なブランディングなどが目的なら、オウンドメディアがおすすめです。一方、効果に即効性を求める場合は、多くのユーザーに訴求できるペイドメディアが適しています。
既存顧客へアプローチしたいとき
既存顧客へのアプローチには、アーンドメディアやオウンドメディアが使われます。特に、アーンドメディアはユーザーと双方向のコミュニケーションがとれるため、親しみやすさがありファン化も期待できます。アーンドメディアによって顧客との信頼関係が築ければ、商品やサービスの継続的な利用にもつながるでしょう。
まとめ:トリプルメディアの組み合わせで効率の良い集客ができる
トリプルメディアは、オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアの3つのメディアを目的に応じて使い分けるマーケティング手法です。それぞれメリット・デメリットがあり、かかる費用も異なるため、メディアごとに適した活用シーンを押さえておきましょう。
3つのメディアは、オウンドメディアを軸に組み合わせて使うとより効果的です。トリプルメディアは互いのデメリットを補える関係性があるので、上手に組み合わせてユーザーへの訴求力をより高めていきましょう。
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