- ホーム
- コラム
- Webマーケティング入門
- UXとは? 意味や重要性、広告に取り入れる際のポイントを解説
UXとは? 意味や重要性、広告に取り入れる際のポイントを解説
UXは「ユーザー体験」を意味し、Webサイトや広告を運用するうえで重要な考え方です。「自社のWebサイトや広告を改善したい場合はUXを意識しながら進めるべきである」と、近年ますます注目を集めています。
本記事では、UXの意味や重要性、広告に取り入れるときのポイントなどを詳しく解説します。UX改善の具体的な流れも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?
UXは「User eXperience」の頭文字を取ったもので、「商品やサービスを通じて得られる体験」を意味する言葉です。「操作がわかりやすい」「わくわくするデザイン」など、商品やサービスを通じてユーザーが感じたものすべてをUXと表現します。
近年のマーケティングでは、UXが重視される傾向にあります。UXが重要視される理由と実際の事例をみていきましょう。
UXが重要視される理由
商品やサービスの差別化が難しい現代では、「モノ」としての価値だけでなく「商品・サービスを利用してどのような経験が得られるか」を重視する消費者が増えています。また、インターネット上で簡単に情報が手に入るようになり、購入前に同様の商品・サービスとの比較が簡単にできるようになりました。
このような状況で消費者から選ばれるためには、機能や価格以外の「魅力的な体験」を提供しなければなりません。例えば「使いやすいECサイト」「問い合わせフォームの入力項目がわかりやすい」など、商品・サービスを利用してユーザーが充実した体験ができる、UXを意識した対応が求められています。
UXの事例
サービスのUX改善の事例に、2021年9月にヤフー株式会社が実施した「PC版Yahoo!メール」のリニューアルがあります。このリニューアルによって、パソコン版とアプリ版で機能やデザインを統一し、どのデバイスからでも同じ操作ができるよう改善しました。
現在標準的となっているモダンなデザインを取り入れながら、既存ユーザーに違和感を与えないよう配置の変更は極力抑えるなどの対応を取っています。その他、色弱の人でも見やすいコントラスト比を追求するなど、ユーザーが利用する際の快適さを意識したデザインにリニューアルされています。
PC版Yahoo!メールについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「PC版Yahoo!メール、10年ぶり全面リニューアル。スマホ版と統一したデザインでより見やすく、ハローキティなどのテーマも新登場。」を読む
UI(ユーザーインターフェース)との違い
UXと同じく重視されているのが「UI(ユーザーインターフェース)」です。UIは「User Interface」の頭文字を取ったもので、「ユーザーとの接点」を意味します。例えば、Webサイトのメニューの配置や文字の大きさなど、操作性や機能性、デザイン性がUIにあたります。
UIはユーザーと企業をつなぐ窓口のような役割があり、UIを含めてユーザーに与えるすべての体験がUXです。優れたUIはユーザーに快適な体験を提供できるため、UIはUXを向上させるためのひとつの要素だといえます。
UXとUIはセットで扱われることも多く、どちらか一方だけを重視するのではなく両方の改善が求められます。
UX改善するメリット
UXを改善すると、企業にとって多くのメリットがあります。ここでは、UXを改善するメリットを詳しく解説します。
ユーザーにとって使いやすくなる
UXを改善すると、商品やサービス、Webサイトなどがユーザーにとってより使いやすくなります。その結果、Webサイトを活用してもらいやすくなり、顧客満足度の向上や売上げアップにつながる可能性があります。
UXを改善してよりよいユーザー体験を提供すると、消費者から選ばれやすくなるのが大きなメリットです。
効果的にアプローチできる
多くのユーザーは商品やサービスを選ぶ際にWebで調べるケースが多く、他社のUXと比較されることも少なくありません。UXを改善した使い勝手のよいWebサイトは、ユーザーへ効果的にアプローチできます。
逆に、Webサイトが使いにくいと思われてしまうと、いくら商品やサービスが優れていても消費者から選ばれないおそれがあるため、UXの改善は必須です。
UX改善の流れ
ここからは、実際にUX改善を進める際の流れをみていきましょう。UX改善の方法を、ステップごとに解説します。
UX改善の目的を定める
はじめに、なぜ自社でUX改善を進めるのか、目的を明確にしましょう。「顧客単価のアップ」「新規顧客の獲得」「リピート率の向上」など、UX改善によって実現したい具体的な目標を設定します。
目的に応じておこなうべき施策が変わってくるため、できるだけ具体的な目標を定めるよう意識してください。
課題を洗い出す
目的を明確にしたら、UXを改善したいサイトやサービス、プロダクトの現状と課題を洗い出しましょう。Webサイトならアクセス解析のデータ、サービスなら顧客アンケートの結果などを参考に、現状を把握して改善点を探ります。
ここで判明した課題をもとに、次のステップである原因の調査につなげます。
原因を調査して設計する
課題を洗い出すステップが完了したら、その課題が発生した原因を調査しましょう。例えばWebサイトなら「申し込みまでの導線が悪い」「商品が検索しにくい」など、何らかの原因が判明するはずです。
その原因を解消するために、UXやUIをどのように改善すべきか設計します。原因の調査が不十分だとUX改善の設計が適切にできない可能性があるため、調査は念入りにおこないましょう。
実装する
設計が完了したら、本番環境に実装してUX改善を目指します。念入りに設計して本番環境に実装してすぐ公開する方法もありますが、仮説検証としてプロトタイプを使った事前評価も効果的です。
プロトタイプとは操作性やデザインを確認するための試作品のことで、本番環境に実装する前にユーザー目線で使い勝手を確認するのに役立ちます。実際に操作してみると設計時には気付かなかった改善点が見つかるケースもあるため、公開前にプロトタイプでUXをチェックするのもおすすめです。
効果測定をする
本番環境に改善点を反映させたら、ユーザーにサイトやサービスを評価してもらいます。2パターンのデザインで効果を比較する「ABテスト」や、クリックなどのアクションを計測できる「ヒートマップツール」などを使って、改善の効果を測定しましょう。
効果測定の結果、このまま維持するのかさらにUX改善を重ねるべきかを検討します。さらにUX改善が必要な場合は、目的の設定から実装まで、これまで実施してきた流れを繰り返してください。
また、そのまま維持する場合でも定期的に効果測定を実施し、常にUXをアップデートさせていく姿勢が大切です。
UX改善のポイント
UX改善に取り組む際、押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここではUX改善のポイントを4つ紹介するので、チェックしてみてください。
ペルソナを設定する
UX改善ではユーザー目線を意識する必要があり、ニーズや改善点をより具体的にするにはペルソナの設定が効果的です。ターゲットユーザーとして年齢や性別などの基本的な属性だけでなく、職業や家族構成、趣味など細かく設定しましょう。
自社の商品やサービスを利用してほしいユーザー像を明確にしておくと、よりユーザー目線を意識したUX改善が進められます。顧客データやアンケート、アクセス解析の結果などを参考に、自社のペルソナを設定してみてください。
UXハニカムを意識する
UX改善に取り組むときは、UXハニカム(ユーザー・エクスペリエンス・ハニカム)を意識しましょう。UXハニカムとは、UXは下記の6つの要素で構成されており、これらがバランスよく満たされているとユーザーにとって価値が高いとする考え方です。
- 役に立つ
- 好ましい
- アクセスしやすい
- 信頼できる
- 探しやすい
- 使いやすい
例えば、どれだけWebサイトのデザインをおしゃれにしても、読み込み速度が遅いとユーザー体験に優れているとはいえません。どれか1つを特化させるのではなく、すべての要素をバランスよく満たすようなUX改善を意識すると、効果が表れやすくなります。
UXデザインの目的を確認する
UXデザインの検討を進めていると、企業側がアピールしたい内容に偏ってしまい、ユーザー目線から外れていってしまうケースもあります。UXは「ユーザーの体験」を軸とした考え方のため、ユーザー目線での検討を常に意識しておかなければなりません。
UX改善では、定期的に「自己満足になっていないか」「ユーザーのためのデザインになっているか」などを再確認しながら進めるようにしてください。
導線や機能などサイト設計を見直す
WebサイトのUX改善に取り組む際は、見た目のデザインだけでなく導線や機能などサイト設計も見直しましょう。「メニューがわかりやすい位置にあるか」「ほしい商品がすぐに見つけられるか」「入力しやすい申し込みフォームになっているか」など、コンバージョンに至るまでの操作がスムーズにできる導線・機能になっているか確認してみてください。
魅力的な商品やサービスを提供していても、サイトの導線が悪いとユーザーが途中で離脱してしまう可能性があります。Webサイトの使い勝手はユーザー体験の満足度を大きく左右するため、ストレスなく利用できるサイト設計を目指しましょう。
UXをWeb広告に取り入れるには
UXは、Web広告を運用するうえでも欠かせない考え方です。広告を見てアクションを起こすのはユーザー側のため、企業目線でアピールしたい内容を盛り込むだけでなく、ユーザー目線も重視しなければなりません。
「ユーザーから見て魅力的か」「商品についてさらに知りたいと思えるか」といった視点で、広告内容を検討しましょう。
また、Web広告を不快に感じるユーザーもいるため、同じユーザーに対する広告の掲載回数を調整したり、押し付けがましくない表現を用いたり、ユーザー体験を意識した広告運用が求められます。
UXを考慮してWebサイト・Web広告改善を
UXはユーザーの体験を軸とした考え方のため、UX改善では常にユーザー目線を意識するようにしましょう。特にWebサイトでは、デザインのよさだけでなくページの読み込み速度や操作性も重要なポイントです。
Web広告も同様に、ユーザーの立場で見たときに魅力的かどうかを考慮する必要があります。ユーザーを不快にさせず、商品やサービスへの興味や好感を持ってもらえるような広告を目指してください。
- 関連タグ:
- #マーケティングの基本
この情報は役に立ちましたか?