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LPOとは? 導入メリットやSEO・EFOとの違い、対策の流れを紹介
コンバージョン率を向上させるための施策に、LPO(=ランディングページ最適化)があります。LPOとは、ランディングページをよりよく改善し、売上アップなどを目指す手法です。商品の販売や資料請求のためにランディングページを活用している企業も多いため、競合に顧客が流れてしまわないためにも、LPOは重要です。
本記事では、LPOについて詳しく解説します。LPOをおこなうときに大切な考え方や効果的なLPOのポイントなどを紹介しているので、ランディングページの成果を高めたいと思っている人は、ぜひチェックしてみてください。
LPOとは?
LPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)は、サービスの申し込みや資料請求などのコンバージョンがより多く発生するように、ランディングページを最適化する手法です。LPOを実施すると、Web広告の費用対効果の向上や、コンバージョンの増加による売上アップなどが期待できます。
ランディングページ(LP)の定義
ランディングページ(Landing Page:LP)とは、Web広告や自然検索などから遷移した際に、ユーザーが最初に見るWebページです。名称の由来は「ランディング=着地する」という意味からきています。
ランディングページはWeb広告からの受け皿として使われるケースが多く、ユーザーに目標とするアクションを起こしてもらえるように誘導する役割があります。
ランディングページには大きく分けて2つの意味があります。
- 1. ユーザーが最初に閲覧するWebページ全般
- 2. 1ページ程度でまとめられた縦長レイアウトの広告ページ
このうちWebマーケティングで使われる定義は、主に2の広告ページの方です。広告ページは原則1種類の商品のみ紹介されており、「購入」「問い合わせ」などのCTAボタンが配置されるレイアウトが特徴です
LPOにおいて大事な考え方
LPOは、「一度実施して終わりではない」という考え方を前提とした施策です。導入後にすぐ効果が出ると思われがちですが、中長期的な試行錯誤なしには、LPOの主な目的であるコンバージョン率向上を達成できません。
改善サイクルを回すために必要になるのが、定期的な効果測定です。LPOの実施前と実施後で、セッション数やコンバージョン数、直帰率などを測定して比較しましょう。
コンバージョン率が上がったからLPOは完了だと考えるのではなく、「どこを改善したことで効果が上がったのか」「より成果を伸ばすためにできることがないか」などの視点を常に持っておいてください。
改善を繰り返して、ランディングページをどんどん最適な形にしていくのがLPOです。市場や競合の動向によってもコンバージョン率は変化するため、定期的な効果測定と改善のPDCAサイクルを回すようにしましょう。
LPOとSEO、EFOの違い
LPOと似た言葉に、SEOとEFOがあります。響きは似ていますが意味は異なるので、それぞれの違いを正しく把握しておきましょう。
SEOとの違い
SEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)は、検索エンジンの自然検索で上位に表示させることを目的とした施策で、自社サイトへの流入を増やすために実施します。
SEOもLPOも、コンバージョンを伸ばすためにおこなわれるのが共通点ですが、アプローチの方向性が異なります。
SEOは、検索エンジンに評価されやすいサイトづくりを通じて、サイトの集客力を高めることを目指す手法です。一方LPOは、ランディングページの内容を改善して、コンバージョン率の向上を目指します。
SEOによって多くのユーザーを集めながら、LPOで効率よくコンバージョンを獲得できれば、大きな効果が期待できます。そのため、どちらも並行して進めるケースが多いです。
EFOとの違い
EFO(Entry Form Optimization=エントリーフォーム最適化)は、購入や申し込みの際に利用する入力フォームをユーザーが使いやすいように改善し、コンバージョンにつなげる施策です。
ランディングページが魅力的でも、入力フォームが使いにくいとユーザーがそこで離脱し、コンバージョンを阻害する要因となってしまいます。「申し込もうと思ったのに、入力項目が多すぎて途中で嫌になった」などの経験がある人もいるのではないでしょうか。
LPO施策とあわせて、EFOにも取り組んでいるケースが多いです。
LPO導入のメリット
LPOを導入すると、広告の費用対効果を精度よく検証しながら、売上げアップなどの目標達成を目指せます。
広告の費用対効果を検証できる
LPを使った成果測定は、従来のアナログなマーケティングよりも高精度で費用も手間も抑えられる方法です。
テレビや雑誌、電話、訪問営業といった手段では、次のような問題があります。
- 広告が誰に届いているのかわからない
- 見込み客の反応を定量的に検証しにくい
- 広告掲載先ごとに効果を分析しにくい
このように手間と費用がかかってしまいます。
しかし、アクセス解析が可能なLPでは、
- ユーザー属性や流入経路が把握できる
- 広告表示回数やクリック率、コンバージョン率などの定量的なデータを入手、分析できる
- 広告出稿先や媒体ごとに費用対効果を計測できる
などの特徴があり、効率的に精度の高い検証ができます。
売上げアップなど目標達成に向いている
LPOは売上げアップ、コンバージョン数増加などの直接的な目標達成に向いている施策です。LPはコンバージョンを得ることに特化した広告のため、最適化すればダイレクトに成果となって返ってきます。
LPがWebマーケティングで重視されるようになったのは、次のような特徴があるからです。
- 縦長レイアウトで上から下に読んでもらえる(訴求順序をコントロールしやすい)
- 自由なレイアウトとデザインでインパクトのあるページを制作できる
- 紹介したい商品やサービス以外の余計な情報が表示されない
LPは見込み客が熟考するのを防ぎ、コンバージョンにつなげる特性があります。
現在はインターネット上で買い物をする人が増えましたが、情報をしっかり吟味してから購入する動きも広まっています。そのため、クリックしてもらうためのLPOが重要です。
LPO対策の流れ
LPOはランディングページにやみくもに変更を加えるのではなく、流れに沿って実施するのが効果的です。ここでは、LPO対策の流れを紹介します。
目的とKPIを確認する
LPOを実施する際には、まず最適化の方針となる目的を決めます。以下のような内容を明確にしておきましょう。
- なぜランディングページを作ったのか(誰に何を伝えたいのか)
- LPOの目的は何か(問い合わせ増加、会員数の増加など)
あわせてKPI(中間目標)も設定します。LPOはユーザーに何らかのアクションを起こすことを期待するため、
- コンバージョン数、率
- クリック数、率
などの指標で目標を決めるのが一般的です。
例えばホテルの集客で、目的を「ビジネスパーソンの宿泊数を増やすこと」にしてLPOを実施する場合、「コンバージョン数=宿泊予約数」がKPIの候補になるでしょう。この際、「LP経由で月30件の宿泊予約を受ける」など、なるべく具体的な数値と期間を設定しておきます。
目的やKPIについて、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
現状の問題点を洗い出す
はじめに、現状の問題点を洗い出しましょう。「コンバージョンが少ない」といったざっくりした問題ではなく、以下のような細かいデータを取得し、どこに問題点があるのかを分析します。
- 訪問数/アクセス数
- コンバージョン率
- クリック率
- 滞在時間
- 直帰率
- 離脱率・離脱場所
- 検索キーワード
これらのデータを確認すると、「セッション数は多いのに直帰率が高い」「ページの途中で離脱しているユーザーが多い」など、細かい問題がみえてきます。
まずは集客数を下げている要因を調べます。例えば直帰率が高い場合、どのようなユーザー層が原因になっているのかを特定します。例えば、リスティング広告を出稿しているなら、どのキーワードでの直帰率が高いのかを調査することになるでしょう。
先程のホテルの例を挙げるなら、仮に「大阪駅 ホテル 安い」だけで直帰率が高い場合、この検索ユーザー層とのマッチングミスが疑われます。
具体的な施策内容を決める
問題点を洗い出せたら、問題に応じて具体的な施策内容を決めます。「直帰率が高いのはファーストビューの印象が良くないからでは」「滞在時間が短いのは広告文とのギャップがあるからでは」など、問題ごとに仮説を立ててみてください。
仮説を立てたら、実際のランディングページを見ながら、改善できそうなポイントとどのように改善すべきかを具体的に検討します。
先程の例の続きとして、「大阪駅 ホテル 安い」の検索ユーザーの直帰率が高い原因を調べてみたとします。するとユーザーの最大の関心は料金である一方、ファーストビュー内で大浴場がアピールされています。
この場合、例えばファーストビュー内に料金を大きく記載する、割引クーポンのQRコードを添付するなどの施策が考えられます。
決めた改善施策を実行する
具体的な施策内容が決まったら、実際にランディングページの変更作業をおこないます。改善をおこなうときのポイントは、複数の施策を一度に実施するのではなく、一つずつ順番に実施して効果を測定することです。
複数の改善施策を一度に取り入れると、どの施策に効果があったのかわかりにくくなってしまうため、改善の進め方や優先順位に注意してください。
ここまでの流れを受け、具体的な施策内容として「宿泊料金の安さをファーストビューでアピールする」と決めた場合、説明文や文字サイズ、色、デザインなどを検討して、ランディングページを変更します。
この場合、割安をアピールする他のアイデアがあっても、順番に変更して都度成果測定したほうが着実にLPOを進められます。
施策の結果を見てPDCAを繰り返す
改善施策を実施したら、こまめに効果測定をおこなって結果を確認しましょう。一つ改善を実施したら、その都度効果を測定して、効果があった施策とそうでないものを判断します。
繰り返しPDCAサイクルを回し、細かく改善を重ねていくのがLPOのポイントです。
このプロセスで取り入れたい手法が「ABテスト」です。複数パターンのランディングページを同じような環境、条件で表示させて効果を比較できます。
ABテストを活用するメリットは以下のとおりです。
- 広告掲載量を増やさなくてもよい(コストが増えない)
- 成功要因を特定しやすい
- 全面リニューアルしないためリスクが低い
- 広告ノウハウを蓄積できる
ABテストは、より効果的なコンテンツをユーザーに発信するために必要な工程です。
施策を実施したら、直帰率の違いを施策前後またはABテストで比較します。滞在時間やコンバージョン率など、関連する指標も併せて分析すれば、顧客の反応の違いが掴みやすくなります。複数の施策を実施する場合は、同じように成果測定をおこないましょう。
LPがいったん完成したあとも、ランディングページをさらにブラッシュアップできないかを検討しましょう。例えば、CTAボタンの位置やサイズを微調整するだけでも、成果が変わることがあります。
効果的なLPO対策のポイント
コンバージョン率の高いランディングページを作成するには、いくつかのポイントがあります。ここでは、効果的なLPO対策のポイントを紹介します。
ファーストビューで興味を惹きつける
ランディングページは、ファーストビューが重要です。ファーストビューとは、ランディングページの上部に位置する、ユーザーが最初に目にするエリアです。キャッチコピーやコンバージョンに誘導するボタン、画像や動画などを工夫して、ひと目見て興味を惹かれるような設計にしましょう。
ファーストビューは、ページを読み進めてもらえるかを左右する重要な要素です。ターゲット層に好印象を持ってもらえるような画像やキャッチコピーを検討し、魅力的なファーストビューにしましょう。
権威性のあるコンテンツを設置する
コンバージョン率を上げるためには、権威性のあるコンテンツを掲載するのも有効な方法です。権威性とは、販売実績や専門家の監修など、コンテンツが客観的に信頼できると感じられる情報のことです。
抽象的な表現や主観的な情報しか掲載されていないページは、ユーザーからの信頼が得にくく、訴求力に欠けてしまいます。権威性のあるコンテンツを設置すると、ユーザーに安心感や信頼感を与え、コンバージョンにつなげやすくなります。
CTAボタンの場所やデザインを最適化する
ランディングページにおいて、CTAボタンの場所やデザインは非常に重要です。CTAボタンとは、「申し込みはこちら」「問い合わせ」など、コンバージョンに誘導するためのボタンのことをいいます。
購入や申し込み意欲があるユーザーでも、CTAボタンをすぐに見つけられないと意欲を削いでしまう可能性があります。CTAボタンの場所・文言・色・大きさなどでコンバージョン率に差が出るので、複数パターンをテストして効果の高いものを採用しましょう。
外部に遷移できるリンクを減らす
外部に遷移できるリンクを減らすのも、効果的なLPO施策の一つです。ランディングページの外部ページに移動できるリンクがあると、途中で離脱してしまうユーザーが増えてしまいます。一度ページを離れると再び戻ってくる可能性は低いため、ランディングページ内で情報を完結させるよう意識しましょう。
1枚のページで商品やサービスへの理解を深められ、疑問や不安のない状態でCTAボタンまで誘導できる構成はコンバージョンにつながりやすくなります。
どのデバイスでも見やすいデザインにする
スマホ・パソコン・タブレットなど、ユーザーが利用するデバイスは多様化しています。そのため、どのデバイスでも見やすいデザインにする点も重要です。
例えば、パソコン用のページをスマホで表示すると、文字や画像が小さくて見にくい表示になってしまいます。興味を持ってランディングページを訪れてもページが見にくいと、ユーザーはすぐに離脱してしまうでしょう。
デバイスの違いに対応するには、デバイスごとに最適なレイアウトのランディングページを用意したり、デバイスのサイズに合わせて自動でレイアウトを調整するレスポンシブデザインを採用したりする方法があります。
特に、スマホで情報収集や通販を利用するユーザーは多いので、パソコン用のランディングページしか用意していない場合は、スマホ対応にも力を入れましょう。
定期的なABテストをおこなう
定期的なABテストをおこなって、複数のパターンのランディングページを比較すれば、何がユーザーの心に刺さっているのか理解できるようになります。
例えば、PRしたい製品のアピールポイントが2つある場合、コンテンツAとコンテンツBの2パターンのランディングページを制作してABテストをおこないます。クリック数やコンバージョン率などの成果が高いほうを選べば、ユーザーに合ったコンテンツを選択できます。
ABテストを実施する際は、Yahoo!広告などの媒体側で用意している機能を使うのもおすすめです。リスティング広告やディスプレイ広告に簡単な設定をするだけで、自動的に同じ条件(ユーザー属性、広告出稿先、期間など)で広告成果を比較できます。
LPOはコンバージョン率向上につながる重要施策
LPO施策は、ランディングページの運用に欠かせません。Web広告のリンク先にランディングページを活用している場合、LPOを実施するかどうかで広告の費用対効果に大きく影響を与えます。SEOやEFOも並行して取り組み、コンバージョン率の向上を目指しましょう。
ランディングページに効率的にユーザーを誘導したい場合は、Web広告の導入がおすすめです。すでにWeb広告を運用しているなら、キーワードや広告文の見直しなども実施しましょう。
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