【イベントレポート】Yahoo! JAPAN E-Commerce Day 2021
2021年11月、Eコマース業界に向けたwebセミナーを開催いたしました。
本セミナーで紹介した、消費行動において著しい変化が起きているEコマース領域、年末に向けて訪れる"需要期"に向けたマーケティング戦略から具体的なプロモーション手法についての一部をご紹介します。
セミナーコンテンツ
1. 変化した消費者行動に適合するマーケティング戦略
2. 年末商戦におけるヤフープロダクト活用術
1)Yahoo!広告 検索広告
2)Yahoo!広告 ディスプレイ広告
3)クリエイティブのTipsと事例
3. セミナー最後のご挨拶
1.変化した消費者行動に適合するマーケティング戦略
スピーカー
ヤフー株式会社 CSO MS統括本部 第二営業本部
本部長 三村 真(みむら まこと)
ユーザーの消費行動が驚くべきスピードで変化している昨今、消費財や小売の売上も飛躍的に伸びています。(2019年比)理由は、消費購買の変化に伴い、耐久消費財の検索数が増化したことや、一般消費財において定期購入やネット購入が進んだことが挙げられます。このような状況の中で、ヤフーはマーケティングのデジタルシフトを下記3つの要素をポイントにして加速させて参ります。
<デジタルシフトを加速させるための3つの重要な要素>
1. デジタルシフトの高速化
2. パーソナライズ化
3. プライバシー
さらに、Yahoo! JAPANのメディア力の強みとしては、Zホーディングス(以下、ZHD)が持つ多様なビッグデータと安心・安全のブランド力があります。
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ZHDグループ力を集結したビッグデータの多様性
Yahoo! JAPAN(情報)とLINE(コミュニケーション)とPayPay(決済)で構成される圧倒的なユーザー基盤を利用したオンラインとオフライン一気通貫マーケティング戦略を提供いたします。多様なデータを活用する上で最もポイントとなるのは、仮説検証。ユーザーの状態やマーケット環境は刻々と変化する、その中であっても、マーケット分析、ユーザー分析、分析結果を基にした確度の高い仮説、仮説に基づくマーケティング施策の実行、見直し、このサイクルがデータ活用には欠かせないと考えています。
また、2022年4月に予定されている個人情報保護法改正を見据え、国際基準に基づいたデータの保護やプライバシーをさらに強化しながら、データ活用を推進します。すでに、2020年以降1,700超の企業でデータマーケティングソリューション(DMS)を活用いただいております。
今後も運用効率の最大化とAIの徹底活用、利便性を追求し、グループ会社との総力戦で広告主のみなさまの売上貢献を支えて参ります。
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安心・安全のブランド力
2-1.年末商戦におけるヤフープロダクト活用術 ~Yahoo!広告 検索広告
スピーカー
ヤフー株式会社 CSO MS統括本部 第二営業本部 営業1部 セールス3
マネージャー 酒井 淳(さかい じゅん)
ユーザーの"欲しい"というニーズがYahoo! JAPANに集まっており、そのニーズが検索キーワードという形で顕在化されるため、Eコマース業界において検索広告は重要なポジションを占めます。検索広告のインプレッション数は、12月にかけて130-145%となり、(同年10月比)まさに需要期に突入しようとしています。検索広告を活用する上で、今すぐにでも活用いただける内容を厳選してお伝えいたします。
まず、Eコマース業界での検索広告の特徴として、多様なユーザー行動をロングテールまで拾う必要があります
そのため、
①リーチ:多様な検索行動を網羅する
②入札:ユーザーの検索行動に合わせた入札の自動化
③テキスト・クリエイティブ:多様なユーザー検索行動に対応した訴求
という観点から施策を考えることを推奨いたします。
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Eコマースの検索特徴
※2021年9月Yahoo!広告 検索広告におけるカテゴリー別の実績
①リーチ:多様な検索行動を網羅する
多様なニーズのいずれが抜けてしまっても、ユーザー満足度は下がってしまうため、【網羅的に】十分に【細かい】粒度で配信設計を行い、関連性の高いクエリはもれなく拾うことが大事です。
設定したURLから自動的に最適なクエリを作成して配信できる動的検索連動型広告(DAS)活用したり、キーワードの観点からはオーガニックでコンバージョンにつながっている流入クエリを登録したり、コンバージョンが発生したクエリを"部分一致"で自動的に登録する自動運用ルールなど、広告主様の運用に適した手法を選択することをお勧めします。
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参考<昨年伸長したクエリ>
※Yahoo! JAPAN Eコマース検索における2020/10/15-11/14 2020/11/14-12/15比較 検索数降順
②入札:ユーザーの検索行動に合わせた入札の自動化
Eコマース業界の皆様は、ほとんどのケースで売上の最大化を目指していると思います。
売上をベースにした自動入札である広告費用対効果の目標値(tROAS)の機能改善があった後に多くの事例が出ています。
<広告費用対効果の目標値(tROAS)の事例>
楽天市場 | Yahoo! JAPAN 入札戦略tROASの活用によりROAS 45%向上、広告経由流通額38%増加
本セミナーでの一番のおすすめがこのtROAS設定、ぜひご活用ください。
③ テキスト/クリエイティブ:多様なユーザー検索行動に対応した訴求
キーワードの自動挿入機能利用で広告配信のインプレッションが増加、特に "指名キーワードなし"のタイトルの方が配信ボリュームは大きくなる事例が出ています。また、セール終了時期に合わせたテキストを自動で生成できる「カウントダウン関数」の利用も、CPC低下やCTR向上に有効です。
2-2.年末商戦におけるヤフープロダクト活用術 ~Yahoo!広告 ディスプレイ広告
スピーカー
ヤフー株式会社 CSO MS統括本部 第二営業本部 営業1部 セールス1
マネージャー 三上 陽輔(みかみ ようすけ)
Yahoo! JAPANにおけるEコマース業界への興味関心UU数は、コロナ禍で高水準であった昨年(2020年)を上回るペースで推移しています。年末商戦需要も昨年同様の傾向となることが予想され、需要ニーズを集客として取り込み、売り上げにつなげるためのポイントをお伝えします。
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Yahoo! JAPANにおける興味関心UU数の推移
※Yahoo! JAPAN 社内データ
広告出稿の観点でみるとリターゲティングの利用が約7割を超えており、Cookieレスの影響はあるものの、ボトムファネルにおけるニーズは依然高い状態です。そのような状況も踏まえ、ボトムファネルとアッパーからミドルファネル、2つの領域に分けて戦略を紹介します。
ボトムファネルにおいては、既存施策の磨きこみが重要であり、特に入札とリーチ拡大、動的ディスプレイ広告の活用を推奨します。
キャンペーン予算にあわせて目的とするアクション(コンバージョン数、クリック数)を最大化する入札戦略を11月10日にリリースしました。さらに、リーチ拡大のため、リターゲティングの代替となるセグメントの活用(類似など)も併せておすすめします。
また、商品数が非常に多いEコマース業界においては、動的ディスプレイ広告をいか効率的に活用できるかがポイントです。中でも任意設定となっているフィード項目(例えば、ブランド_Brand、商品カテゴリ_Product Typeなど)は、レコメンド精度を高める要素となっており、任意項目の追加前後比較でコンバージョン率(CVR)8.19%増加の事例も出ています。必須項目のみの設定にとどまっている広告主様もいるので、この機会に見直しの上、需要最大期12月を迎えてください。
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動的ディスプレイ広告(DAD) フィード任意設定項目
アッパーからミドルファネルにおいては商品・サービスに対する興味関心や検討行動の特定などメディアが持つ1st Partyデータを有効活用し、サービスに関する興味関心度合いをより正確にとらえることが重要になっています。検討フェーズでのユーザーの興味関心度合いを可視化するソリューションとして、「Yahoo! JAPAN 第一想起分析」をご紹介します。
Yahoo! JAPAN 第一想起分析とは
検討行動を開始したユーザー群が一定の検討期間内に、どの商品・サービスをどの順番で検索(サイト流入)したかを分析
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Yahoo! JAPAN 第一想起
第一想起するユーザー群が多ければ多いほど、自社商品・サービスを検討している総数も多くなることが明らかになっています。商品・サービスの総検討者数は「起点での第一想起数」によって決まるため、この【起点】での顧客数(見込み顧客数)を増やすことが有効です。
例)「ミニバン」を検討している層の特徴
「子供あり」「未就学児」「出産」などのキーワードとの関連が強い
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Yahoo! JAPAN 第一想起 アウトプットイメージ
第一想起での潜在層はコンバージョンとの関連性が高いことも分かっています。
ユーザーの検討前の行動特徴を分析し、商品検討を起こしやすい潜在層を見極めることが可能です。需要期にだからこそ、マス的な流入も併せて検討してみてください。
2-3.クリエイティブTipsと事例
スピーカー
ヤフー株式会社 CSO MS統括本部 第二営業本部 営業1部 セールス2
マネージャー 由井 淳貴(ゆい じゅんき)
クリエイティブ作成における7つの基本原則
Yahoo!広告 ディスプレイ広告のクリエイティブ作成時のポイントを静止画と動画に分けて、事例を用いて解説します。
12月に向けた需要拡大期においては、セール期間と価格をアピールしながら、商品の魅力や特徴を効果的クリエイティブに盛り込む事が重要です。
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クリエイティブ作成における7つの基本原則
※CTR拡大の視点
※スマートフォンの実績をベース
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静止画例:キャッチコピーは上部の配置(CTRリフト率_117%)
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動画例:開始3秒以内にブランド名が登場(CTRリフト率_114%)
その他クリエイティブ事例の詳細については、
こちらの資料(p77~p103)・動画(46分25秒~)をご確認ください。
商品数が多いEコマース業界では、複数の画像をスライドさせる「カルーセル」を使いこなすことで広告効果に差が出てきます。
カルーセルの効果としては、ブランドリフトとサーチリフトが向上した事例も出てきています 。視点を変えた複数画像を使用することで、ブランドメッセージを深く届け、商品の理解促進を図る効果があります。
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カルーセル活用の事例(ビー・エム・ダブリュー株式会社様)
カルーセルの表現トレンドについては、
こちらの資料(p104~p112)・動画(59分00秒~)をご確認ください。
3.セミナー最後のご挨拶
ヤフー株式会社 CSO MS統括本部 第二営業本部 営業1部
部長 仮屋崎 亨(かりやざき とおる)
まさにこれから始まるホリデーシーズンを万全の態勢で臨んでいただくために、本日のセミナーを開催しました。1円のクリック単価の積み重ねが広告効果を左右するこの時期、入札などツールを活用できる部分は自動化を進めていただき、リーチの拡大やクリエイティブなど人的リソースが必要な領域に時間を費やしていただきたいと思います。今後もヤフーが持つテクノロジーとデータの力でEコマース業界のクライアント様を全力でサポートして参ります。
本セミナーに関する資料はこちらからダウンロードできます。
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