Yahoo!広告 スクリプトとは?特徴や利用手順を解説
広告を効果的に運用したいものの、さまざまな機能があり、どのように活用すればうまく効率化できるか悩まれている方もいるのではないでしょうか。
Yahoo!広告 スクリプトは、Yahoo!広告の入稿やレポート作成などの運用を自動化するツールです。活用することで、効率よく広告を運用していくことができます。
本記事では、Yahoo!広告 スクリプトの概要や主な機能、利用手順などをご紹介します。
目次
1. Yahoo!広告 スクリプトとは
Yahoo!広告 スクリプトは、広告の入稿、配信設定変更、レポート作成などの運用自動化を支援するJavaScript(※)ベースのツールです。Yahoo!広告で広告配信を行っている方向けの広告運用支援ツールです。
JavaScript(ジャバスクリプト):Webサイトやシステムの開発に使われているプログラミング言語
2. Yahoo!広告 スクリプトで実現できること
Yahoo!広告 スクリプトは、広告運用自動化の手段の一つです。例えば、定期的に発生するパフォーマンスレポートの作成やルールに基づいた入札単価の調整が可能です。
>参考: Yahoo!広告 スクリプトの作成・実行
2.1. 活用例1_定期的なレポートを自動でスプレッドシートに出力
Yahoo!広告 スクリプトを活用して、自動で定期的なレポートをGoogleスプレッドシート(無料の表計算ツール)に出力できます。
一例を挙げると、色々な種類のレポートを毎回手動で広告管理ツールからダウンロードする場合、特定のスプレッドシートにシートを分けて出力するように設定可能です。
これにより、日次や週次で作成しているレポートを毎回手動で広告管理ツールからダウンロードすることなく、あらかじめ設定した形式でスプレッドシートに出力できます。
2.2. 活用例2_天気予報を利用した広告配信
Yahoo!広告 スクリプトを活用して、Yahoo!天気・災害の天気予報データに基づいた広告配信設定ができます。
例えば、雨の日にコンバージョン率が上昇するAAAという商品がある場合、雨の日の定義をあらかじめ決めたうえで、雨の日に合わせて広告オン・オフを自動で切り替えるなどの設定ができます。
また、その結果をメールやメッセージングアプリであるSlack(スラック)などに通知可能です。
3. 広告運用ツール別の特徴比較
Yahoo!広告 スクリプトは、Yahoo!広告 APIと同じく運用業務自動化の実現が可能です。
加えて、サーバーなどの開発環境が必要なAPIと異なり、広告管理ツールの専用画面に貼り付けるだけで実行できるため、担当者のリソースを最小限に抑えながらカスタマイズなどの実現も可能です。
Yahoo!広告 スクリプト | Yahoo!広告 API | キャンペーンエディター | 広告管理ツール | |
---|---|---|---|---|
エンジニアリソース | 不要 ※ | 必要 | 不要 | 不要 |
利用メリット | 業務の自動化、運用のカスタマイズ | 業務の自動化、運用のカスタマイズ | 入稿データの一括操作 | 広告運用の基本操作、配信実績の可視化 |
ユースケース | ・レポート作成の自動化 ・外部ツールへのデータ出力 ・天気予報に連動した広告配信 | ・レポートのカスタマイズ ・アカウント運用の自動化 ・他システムとの連携 | 複数キャンペーンの大量データを一括で編集 | ・アカウントごとの配信 実績を可視化 ・小規模の広告配信設定 |
原則JavaScriptの知見が必要ですが、サンプルスクリプトなどの参考情報を活用いただければどなたでもご利用可能です。
4. Yahoo!広告 スクリプトの利用手順
ここからは、Yahoo!広告 スクリプトの詳しい利用手順を解説します。
Yahoo!広告 スクリプトの管理画面へは、広告管理ツールの「ツール」→「Yahoo!広告スクリプト」から移動できます。
4.1. Yahoo!広告 スクリプトの作成・実行
実際にYahoo!広告 スクリプトの作成や実行する際の手順を見ていきましょう。
4.1.1. Yahoo!広告 スクリプトを作成・実行する
(1) 「新規作成」から作成画面を開きます。
「スクリプト名」に任意の名称を設定し、テキストボックスにスクリプトの内容を記載します。
(2)「承認」ボタンをクリックして、Yahoo! JAPANビジネスIDで認証します。
(3)「実行」ボタンで実行します。
実行せず保存のみおこなう場合は、「保存」ボタンをクリックしてください。
4.1.2. Yahoo!広告 スクリプトを編集する
(1)スクリプトを編集したい場合は、一覧画面で編集したいスクリプト名のリンクをクリックします。
(2)表示されたスクリプト編集画面で編集をおこない、任意の項目を編集し、「保存」もしくは「実行」ボタンをクリックします。
「実行」ボタンをクリックすると、スクリプトが実行されるため、すぐに実行したくない場合は「保存」ボタンのみクリックしてください。
4.2. Yahoo!広告 スクリプトの実行頻度の設定
Yahoo!広告 スクリプト一覧画面の「実行頻度」の項目にて、スクリプトの実行頻度の設定が確認できます。
ただし、「未設定」の場合は該当スクリプトの実行頻度が設定されていないため、必要に応じて登録をおこないましょう。
4.2.1. 実行頻度の設定方法
(1)スクリプト一覧画面の「実行頻度」の項目をクリックします。
(2)任意の実行頻度を選択し、「保存」ボタンを押します。「保存」ボタンではなく「認証」ボタンが表示される場合、ビジネスIDで認証をおこなうと保存できるようになります。
4.3. Googleアカウントとの連携
Yahoo!広告 スクリプトとGoogleアカウントを連携することで、Google スプレッドシートへのレポート出力の自動化が可能になります。
4.3.1. Googleアカウントとの連携方法
(1)管理画面右上の「外部ツール連携」をクリックします。
(2) 「Sign in with Google」ボタンをクリックします。
(3)表示されたGoogleログイン画面から、連携したいGoogleアカウント情報を入力し、ログインをおこないます。
(4)「Yahoo!広告 スクリプトがGoogle アカウントへの追加アクセスを求めています」というメッセージが表示されるので、「続行」をクリックします。
(5))自動でYahoo!広告 スクリプトの管理画面へ戻ります。
「ステータス」列が「連携済み」に変わっていることを確認してください。
4.3.2. GoogleスプレッドシートIDの取得方法
指定したスプレッドシートへレポート出力をおこなう際などに、Google スプレッドシートIDが必要です。
Google スプレッドシートIDは、Google スプレッドシートのURLのうち、下図の赤線で示した部分です。
4.3.3. GoogleドライブでのファイルIDの取得方法
Googleドライブで、出力先として指定したいファイルの「︙」を開き、「リンクを取得」をクリックします。
任意のアクセスを設定して「リンクをコピー」をクリックした後、テキストエディタ等に貼り付けます。
貼り付けたURLの以下の「xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx」部分がファイルIDです。
https://drive.google.com/file/d/xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx/view?usp=share_link
5. Yahoo!広告 スクリプトのおすすめ活用法
Yahoo!広告 スクリプトのおすすめ活用法について紹介します。
5.1. 広告運用の自動化
先述したとおり、Yahoo!広告 スクリプトではGoogleスプレッドシートへのレポート出力が可能です。
これまでレポート作成をする際に、レポートをダウンロードしてスプレッドシートへ貼り付けるという作業をおこなっていた方も、Yahoo!広告 スクリプトの自動出力により効率化ができます。
詳しくは、以下の記事でご確認ください。
>【Yahoo!広告 スクリプト】まずは設定から!広告運用の自動化を実現
5.2. 日付自動挿入
Yahoo!広告 スクリプトでは、連携したGoogleスプレッドシート上に登録した数値や文字列を、広告の本文やタイトルに自動挿入できる機能があります。
この機能を活用して広告に日付を自動挿入することで、「〇月〇日最新」など最新情報であることをユーザーに訴求し、広告の閲覧などの行動を促せる効果が期待できます。
詳しくは、以下の記事でご確認ください。
>【Yahoo!広告 スクリプト】アドカスタマイザーの日付自動挿入とは
5.3. 配信設定の自動化
Yahoo!広告 スクリプトでは、広告の配信設定(オン・オフ)の切り替えの自動化も可能です。
この機能を活用することで、業務の効率化や生産性の向上、柔軟な配信調整によって、広告効果の向上などが期待できます。配信設定の自動化にはメリットが多いので、活用するのがおすすめです。
詳しくは、以下の記事でご確認ください。
>【Yahoo!広告 スクリプト】広告単位で配信オン・オフを自動化するには
6. Yahoo!広告 スクリプトのプロダクトガイド
Yahoo!広告 スクリプトの機能や仕様、規約など、以下のような内容の詳細はプロダクトガイドで確認いただけます。
ページ | 内容 |
---|---|
リファレンス | Yahoo!広告 スクリプトで提供する機能の説明 |
認証と権限について | Yahoo! JAPANビジネスIDでの認証と、権限ごとに実行可能な操作内容についての説明 |
仕様について | メール送信可能サイズ・出力可能最大ログ量などの仕様についての説明 |
規約について | Yahoo!広告 スクリプトの免責事項 |
ランタイムについて | Yahoo!広告 スクリプトを実行する基盤「ランタイム」についての説明 |
7. Yahoo!広告 スクリプトのサンプル
以下のページでは、サンプルスクリプトを公開しています。
Yahoo!広告 スクリプトを作成する際に、サンプルをコピー&ペーストするだけで簡単にさまざまな機能を活用できます。
例えば、検索広告においてキャンペーンを新規追加する、ディスプレイ広告において全ての広告情報を取得するといった操作が可能ですので、参考にしてください。
8. Yahoo!広告 スクリプトの活用事例
Yahoo!広告 スクリプトの活用事例をご紹介します。
広告プランや広告運用を提供しているGMO NIKKO株式会社 プランニング本部のうち、統括部では運用するプランナーが使いやすいソリューションや情報を提供して支援を行っています。
Yahoo!広告 スクリプトの汎用的なコードを用意し、プランナーがアカウントIDや期間を書き換えて実行しています。実行状況は、SlackやGoogle スプレッドシートに連携しています。その結果、月12〜13時間の工数削減に成功。今まで手動でおこなっていた業務をYahoo!広告 スクリプトで自動化することで、レポートを迅速にミスなく作成できるようになりました。
また、工数削減によって生まれた時間で、メンバーがさらにYahoo!広告 スクリプトの活用方法を積極的に学ぶなど、組織の活性化にも貢献しています。
以下で、活用事例の全文をご覧いただけます。
9. Yahoo!広告 スクリプトに関するよくある質問
Yahoo!広告 スクリプトのよくある質問と回答をご紹介します。
9.1. Yahoo!広告 スクリプトで天気予報データが利用できるのは、どの期間の天気予報データですか?
9.2. 一度作成をしたスクリプトを削除することはできますか?
削除できません。「無効化」によって、定期実行の停止をおこなってください。
9.3. 取得可能なカラム一覧はどこにまとまっていますか?
9.4. ChatGPTを使いスクリプトの修正をしたり、細かな要望をしたりしていますが、そのような使い方は問題ないでしょうか?
問題ございません。しかし、ChatGPTの学習データとして、2023年2月リリースの Yahoo!広告 スクリプトの情報は利用されていない可能性がございます。
10. Yahoo!広告の運用自動化のためにスクリプトを活用しよう
Yahoo!広告 スクリプトでは、Yahoo!広告の入稿やレポートの作成などを自動化し、広告運用を効率化することが可能です。エンジニアでなくても、サンプルスクリプトをコピー&ペーストするだけで簡単に便利な機能を活用できます。
Yahoo!広告 スクリプトは、Yahoo!広告に付帯するサービスで、Yahoo!広告を利用している方ならどなたでもご活用いただけます。これから広告運用を始めたい方、難しい専門知識がなくても効率的に運用できる広告を探している方は、ぜひYahoo!広告をご検討ください。
まずは、Yahoo!広告に関する資料ダウンロードをしてみてください。
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