最後のクリック以外は価値がない? 間接効果を可視化する「アトリビューションレポート」
【シリーズ】Yahoo! JAPANが考える、Withコロナ時代のデジタルマーケティングとは?~ 14
アトリビューションという言葉をご存じでしょうか? 広告におけるアトリビューション(attribution)とは、コンバージョンに対して広告が「どれだけ寄与したか」を明らかにすることです。アトリビューションを意識すると、何が変わるのか。「アトリビューションレポート」開発担当者のヤフー株式会社・虻川が解説します。
アトリビューションとは?
広告効果について評価する際、コンバージョンに至った「最後の広告だけ」が重要、と考えている方も多いのではないでしょうか。最後の広告、ラストクリックだけが注視すべきユーザーアクションなのでしょうか?
ラストクリックは、ユーザーの最後の行動です。ユーザーのラストクリック(コンバージョン)以前には、いくつものタッチポイントが存在します。その中には、広告もあれば、広告以外のものもあります。関与度合いの濃淡はあれど、コンバージョンに貢献したと推測できるものは、効果があったと考えるべきではないか ―― これが、アトリビューションの考え方です。
アトリビューション(attribution)は、「帰属する」「起因する」「~のせい」「~のおかげ」という意味があります。広告におけるアトリビューションとは、「コンバージョンの貢献度を測ること」です。ラストクリック以外の「何の」おかげでどのくらいコンバージョンに至ったかを可視化できるソリューションが、「アトリビューションレポート」です。
アトリビューションレポートは、コンバージョンに至るまでのユーザーの広告接触を時系列で可視化し、その過程における広告の間接効果まで検証するためのレポートです。ラストクリックより前の広告を評価することで、最適な予算配分を行い、コンバージョンの最大化を目指します。
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コンバージョンに至るまでの流れ(一例)
※画像はイメージです。
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間接効果の価値
間接効果を可視化することで改善につなげる!
Yahoo! JAPANでは、何種類かYahoo! JAPANでの行動を可視化したアトリビューションレポートを提供しています。レポートを基に分析することで、広告をどのように改善すれば良いかが分かります。
レポートのサンプルを例に説明します。まず、広告クリックの順番のパターンにおけるコンバージョン数を降順で出力します(Yahoo! JAPANの広告限定)。それぞれの列は、以下の指標です。
- 「1st_time」:初のクリック
- 「2nd_time」:2回目のクリック
- 「3rd_time」:3回目のクリック
- 「①ncv_ub」:1回目~3回目のクリック経路でコンバージョンに至らなかったクリックUB
- 「②cv_ub」:「①ncv_ub」経路でのコンバージョンUB
- 「③total」:①と②の総計
- 「④CVR ②÷①」:1回目~3回目の経路でのコンバージョン率
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レポート例
※数値はサンプルです。
この中で、コンバージョン率が良い3番目と5番目に着目すると、「サーチターゲティングの広告をクリックした後に、リターゲティング広告をクリックしていた」「行動予測ターゲティングの広告をクリックした後に、リターゲティング広告をクリックしていた」という事が分かります。この場合、サーチターゲティングと行動予測ターゲティングは、リターゲティング広告に「間接的に貢献」しているといえます。
このことから、「コンバージョン貢献度が高い、サーチターゲティングと行動予測ターゲティングは、リターゲティングと組み合わせることでさらに効果がアップする」という仮説が導き出されます。これを他の広告に応用することで、PDCAサイクルが回り、広告効果の改善につながります。
アトリビューションレポートを活用することで、広告効果の正しい可視化が実現し、より効率的にコンバージョンを獲得することができるようになるでしょう。
Yahoo! JAPANは、自社の持つデータやテクノロジーを活用して、マーケティング活動の意思決定を支援しています。消費者理解(消費者理解のためのデータ活用)と広告効果分析(データに基づく実行計画と広告効果の分析)を目的とした豊富な商品ラインアップをご用意しています。
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※詳細は営業担当までお問い合わせください。
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ヤフー株式会社
マーケティングソリューションズ統括本部
テクノロジーサービス本部
コンサルティングサービス部
虻川 真澄
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