広告出稿前にコンバージョン率が高いユーザー層を推定できる?見込み顧客数の調査方法とは
ウェブ広告を出稿する際、「本当に効果が出るのか」と不安に感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。広告の効果は見込み顧客のボリュームなどによって変わってきますが、一般的な市場調査だけでは見込み顧客の傾向やボリュームを詳しく把握するのは困難です。
1.新商品の広告出稿は効果が出るか不安
新しい商品やサービスをリリースする際、ウェブ上のマーケティング施策としてウェブ広告を活用する企業は多くあります。しかし、新商品の広告出稿はどのくらいの効果が得られるか不明確なため、不安を感じる担当者もいるでしょう。
広告出稿時にどの程度の効果が期待できるかは、類似商品の広告を出稿したときの実績や代理店のノウハウなど、過去の実績をもとに推測するケースが大半です。
そのため実際、広告配信によってどれだけ見込み顧客(購買意欲の高いユーザー層)を増やせるのかを精度高く把握するのは難しいのが現状といえます。
2. 見込み顧客を把握するための市場調査における課題
どのくらいの見込み顧客を獲得できるのか検討するために、市場調査をおこないますが一般的な市場調査だけでは、見込み顧客の傾向やボリュームを可視化するのは困難なケースがほとんどかと思います。
2.1. ウェブ上の顧客ニーズを把握するのは難しい
トレンドや流行の移り変わりは激しく、ウェブ上の顧客ニーズも変化しやすい傾向にあります。そのため、一般的な市場調査でリアルタイムにウェブ上の顧客ニーズを把握してもすぐに変化してしまうケースが大半です。
さらに近年は「モノ消費」「コト消費」「トキ消費」といった考え方も登場し、顧客のニーズや欲求はより複雑化しています。
また、ウェブ上の施策や販売チャネルも多様化しており、ECサイトやライブ配信を利用した実演セールス、インフルエンサー、AR/VR等多種多様です。
このように消費行動に影響する価値観の変化や販促手法の多様化によって、ウェブ上の顧客ニーズは変化しやすく、複数チャネルをリアルタイムで把握するのは難しくなっています。市場調査を継続的に実施しても、常に最新のデータを得るには多くのコストと時間がかかります。
2.2.見込み顧客のボリュームが不明確
また、市場調査の結果からペルソナやターゲット像を設定して顧客層を明確にしても、市場にどのくらいの見込み顧客がいるのか具体的なボリュームを数値で可視化するのは困難です。
例えば「30代の育児中の女性」をターゲットとする場合、ターゲット層全体のボリュームをある程度確認できたとしても、そのなかで自社商品に興味を持っている人がどのくらい存在しているか、明確に判断はできません。
3. 広告出稿前に見込み顧客のボリュームを推定するには?
このように、一般的な市場調査だけで見込み顧客のボリュームやニーズを把握し続けることは容易ではありません。また、見込み顧客のなかにはさまざまなフェーズがあり、フェーズごとに最適なアプローチも異なります。
見込み顧客のフェーズとして、自社商品を認知しているものの購買意欲は低いユーザー層もいれば、他社商品と比較して購入を検討しているユーザー層もいます。つまり、一口に「見込み顧客」といってもそれぞれの購買意欲はグラデーションのように少しずつ差があります。
したがって、顧客のニーズや販売チャネルの複雑化に加え、見込み顧客自体も均一ではないため、広告出稿前に見込み顧客のボリュームを把握することは通常、困難です。
しかし、Yahoo! JAPAN 予測ファネルであれば、ヤフーが持つさまざまなデータを活用してフェーズごとの見込み顧客を把握することが可能です。
3.1. Yahoo! JAPAN 予測ファネルの特徴
「Yahoo! JAPAN 予測ファネル(以下、予測ファネル)」は、「広告が見込み顧客の獲得にどのくらい寄与しているかわからない」「見込み顧客のなかで特に購買意欲の高い層のボリュームを知りたい」「需要の変化を把握したい」といった、広告出稿にあたって生じる悩みやニーズに対応できるソリューションです。
予測ファネルは、広告出稿の目的に合わせて「購買」「検索」「来店」などのアクションの可能性を予測し、予測スコア化してファネルに落とし込むため、以下のような数値を確認することが可能です。
・見込み顧客のボリュームを定量化できる
・購買意欲の高いユーザー層の傾向を把握できる
3.1.1. 見込み顧客のボリュームをCV含有率として定量化できる
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スコアが高いほど、CV含有率が高く
精度よくモデリング出来ていると言える。
予測ファネルでは、実際に過去にウェブ上でコンバージョンしたユーザー層の行動を分析し、分析結果と未来予測を踏まえてユーザー層を予測スコアリングします。コンバージョンする可能性がもっとも低いユーザー層を0.0-0.1、コンバージョンする可能性がもっとも高いユーザー層を0.9-1とし、見込み顧客を10段階の予測スコアに割り振ります。
そして、それぞれの予測スコアに該当するユーザー層のなかにどのくらい見込み顧客がいるのかを「CV含有率」として算出することで、見込み顧客のボリュームの定量的な把握が可能です。
ユーザー層の予測スコア推移も確認でき、需要の変化に合わせたマーケティング施策の検討ができるようになります。マルチビッグデータを持つヤフーだからこそ提供できる機能です。
3.1.2.購買意欲の高いユーザー層の傾向を把握できる
予測ファネルでは、予測スコア別のユーザー層の性別や年齢、興味関心や購買傾向などを抽出することが可能です。そのため、購買意欲の高いユーザー層の特徴を把握したり、潜在層のペルソナを作成したりする際に利用できます。
また、予測ファネルの各予測スコアに属するユーザー層の特徴はヤフーのビッグデータをもとに抽出しているため、広告配信時のターゲティングに活用できるのもメリットです。
3.2. Yahoo! JAPAN 予測ファネルの活用事例
最後に、予測ファネルの活用事例を紹介します。予測ファネルの活用を決めた理由と実施結果をそれぞれ紹介するので、参考にしてください。例えば、予測スコアの高いユーザー層には「自社サイトに登録するきっかけをつくる広告」を掲載し、予測スコアの低いユーザー層には「自社商品に関連するポータルサイトに誘導する広告」を掲載するといったターゲティングが可能になります。
3.2.1. 活用理由
不動産情報サイトを運営するN株式会社では、見込み顧客を獲得するためにYahoo!広告を活用しており、特にリターゲティングをメインに活用してきました。
しかし、Cookie規制対応などで広告施策の転換を求められるようになったことや、そもそも本当にコンバージョンに近いユーザー層にアプローチできているか把握できていないといった課題を抱えていました。また、これまでは顧客獲得単価(CPA)を評価指標としていましたが、認知目的の広告を評価する指標が必要との思いもあり、予測ファネルの活用を決定しました。
3.2.2. 実施結果
今回の事例では、認知拡大のために出稿していたディスプレイ広告の評価に予測ファネルを活用しました。また、予測ファネルの予測スコアに基づいた配信(予測スコア配信)も実施しました。
まず、プロモーション施策全体を予測ファネルの予測スコアで評価したところ、もっともコンバージョン期待値の高い予測スコア「0.9」のユーザー層が114%に増加していました。次いでコンバージョン期待値の高い「0.8」のユーザー層も、106%に増加しています。
続いて、予測ファネルの予測スコアを用いてディスプレイ広告の効果を可視化したところ、広告に接触したユーザー層は広告非接触のユーザー層と比較して予測スコアップ率が1.8倍となっていることがわかりました。
これらの成功要因としては、予測ファネルで可視化されたコンバージョンの可能性が高いユーザー層に対して、適切に訴求できたことが挙げられます。
また、予測ファネルの予測スコアをターゲティングに活用して広告配信を行った場合では広告配信前後の予測スコア変動はどうなるかも検証しています。
その結果、検証したすべての予測スコアで広告非接触ユーザー層※1と比べて1.7倍の予測スコアップ率となっていることがわかりました。
予測ファネルが提供するレポートでは、広告配信によってどのような影響があったかを予測スコアごとに可視化できます。これまでの施策がコンバージョン期待値の高いユーザー層に訴求できていなかったなど、過去の施策を見直すきっかけにもなります。
ぜひ、ご検討ください。
Yahoo! JAPAN 予測ファネル
4.見込み顧客のボリュームが商品のCV数を推定するのに役立つ
市場調査の段階で見込み顧客のボリュームや傾向を把握しておくと、CV数の見込みなど新商品のポテンシャルの定量的な測定が可能になります。効率的な広告配信のためにも、商品に興味を持ってくれそうなユーザー層がどれくらいいるのか検証しておくことをおすすめします。
ヤフーが提供する「Yahoo! JAPAN 予測ファネル」は、見込み顧客のボリュームを定量的に把握できるソリューションです。コンバージョン期待値によってユーザー層を10段階で予測スコアリングでき、予測スコアは広告のターゲティングにも利用できます。ぜひご活用ください。
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