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調査 公開日:2023.01.16 更新日:2023.10.03

4P分析の企業事例を紹介!4P分析の目的や分析時のポイントとは?

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4P分析は、マーケティング施策を検討する際に用いられるフレームワークです。自社商品について4つの項目を分析し、具体的なマーケティング施策に落とし込んでいきます。


本記事では、4P分析の目的や分析の進め方などを解説します。4P分析に取り組むときに押さえておきたいポイントや、実際4P分析をおこなった例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

4P分析とは?

4C分析

 

4P分析はマーケティング施策を検討する際に用いられるフレームワークのひとつで、自社製品について次の4つの視点で分析する手法です。

 

・商品 サービス(Product):商品・サービスにどのような特徴や強みがあるか
・価格(Price):商品の価値に見合った適正な価格になっているか
・提供方法 販路(Place):ターゲット層に合った販売経路が提供できているか
・販促方法(Promotion):適切なプロモーションができているか

 

マーケティング戦略における位置付け

マーケティング戦略を立てる際、大まかに以下のような流れで進めます。

 

1.環境分析
2.ターゲティング・ポジショニング
3.提供価値の検討
4.商品・サービスの提供方法の検討
5.戦略の決定と実行

 

まずは、自社や競合、市場の動向などを確認します。次におこなうポジショニング・ターゲティングでは、市場における自社の立場や具体的なターゲット層を明確にし、競合に対する優位性を検討していきます。最後に提供したい商品・サービスの価値を明確にしたうえで、具体的な戦略を立て、実行します。

 

上記のステップのなかで、4P分析はマーケティング戦略を決定する際に用いられます。顧客ニーズを満たす製品をターゲット層に届けるために、商品開発や価格設定、販売経路や宣伝方法など具体的な施策に落とし込んでいく際に活用します。

 

マーケティング戦略については、下記ページで詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
> マーケティングとは?種類や戦略を立てる際のポイントを解説

 

4C分析・3C分析との違い

4P分析と同じくマーケティング戦略の検討に用いられるフレームワークに、4C分析や3C分析があります。
4P分析と4C分析には、以下のような違いがあります。

 

 

 

4P分析

4C分析

分析視点

企業

顧客

マーケティング戦略での活用段階

マーケティング施策の立案

マーケティング施策の立案

分析項目

・商品・サービス(Product)

・価格(Price)

・提供方法・販路(Place)

・販促方法(Promotion)

・顧客価値(Customer value)

・コスト(Customer Cost)

・利便性(Convenience)

・コミュニケーション(Communication)

 

 

 

 

4C分析は4P分析と分析項目が対の関係になっており、4P分析と同じくマーケティング施策の立案のステップで活用されます。4C分析は顧客目線で商品を購入するまでの4つの要素を分析する手法であるのに対して、4P分析は企業目線で分析する点が違いです。

 

3C分析は、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点で外部環境と内部環境を分析するフレームワークです。自社を取り巻く環境や自社の強み・弱みなどを把握するために、環境分析のステップで活用したり、競合と自社の提供価値を検討するステップで活用したりします。
> 3C分析の企業事例を紹介!3C分析の目的や分析時のポイントとは?

 

サービス業では7P分析が効果的

サービス業では、4P分析の4つの項目に以下を加えた「7P分析」を用いると、より効果的です。

 

・人(People)
・プロセス(Process)
・物的証拠(Physical Evidence)

 

サービス業は人がサービスを提供するケースが多く、「人(People)」は接客サービスの質が分析対象です。


「プロセス(Process)」はサービスの提供プロセスを指し、例えばレストランなら調理過程が見えるオープンキッチンなど、サービスや商品を提供するまでのプロセスに工夫できる点がないか分析します。

 

サービス業はレストランや塾、美容系のサービスなど、提供したサービスがモノとして残らない業種も少なくありません。その場合、「物的証拠(Physical Evidence)」として業績や実績など数値で表せるものや、賞の受賞歴など、品質の証拠となるものをマーケティング施策のなかで活用できるものがないか分析します。

 

4P分析の例

まずは、実際に4P分析の例をみていきましょう。今回は、飲料・食品業界の企業で4P分析を実施した例を紹介します。

 

【飲料・食品業界(コーヒーチェーン店)の4P分析】

商品・サービス(Product)

  • 国内焙煎で新鮮で上質なコーヒーとくつろげる空間を提供
  • シーズンメニューのターゲット層は20代~30代女性を想定

価格(Price)

  • 競合他社の価格帯に応じて価格は比較的高めに設定

提供方法・販路(Place)

  • 地域コミュニティに根差し、公民連携した店舗を展開
  • オンラインでも商品を販売

販促方法(Promotion)

  • SNSやタレントを使用したテレビCM、プロモーションサイト

 

国内焙煎による上質なコーヒーが人気で、シーズンメニューは20~30代女性をターゲット層としています。価格は競合他社の価格帯に合わせて比較的高めです。

 

また、地域コミュニティに馴染むことを店舗戦略として掲げ、公民連携の店舗も展開しています。主な販促方法としてはSNSや、20~30代女性に人気のタレントを使用したテレビCMを採用しています。

 

ここからは、具体的な4P分析の進め方を解説していきます。

 

4P分析の進め方

4P分析は、以下の流れで進めます。

 

1.商品・サービスを分析する(Product)
2.価格を分析する(Price)
3.提供方法・販路(チャネル)を分析する(Place)
4.販促方法を分析する(Promotion)

 

それぞれの分析方法について、以下で解説します。

 

➀商品・サービスを分析する(Product)

提供する商品・サービスに、どのような価値や強みがあるのかを分析します。商品そのものの強みやメリットだけでなく、ターゲット層のニーズに合っているかどうかや、購入後のアフターサポートの内容なども「価値」に含まれます。

 

➁価格を分析する(Price)

価格を分析する際は、商品・サービスが提供する価値と価格のバランスが取れているかに着目しましょう。

価値に対して価格が高すぎると顧客を満足させられず、売上が伸び悩む原因になる可能性があります。反対に、価値に対して価格が安すぎると適正な利益が得られないかもしれません。その他、競合他社の価格設定も参考にしながら、自社商品が適正な価格となっているか分析します。

 

以下で5つの価格設定方法を紹介するので、こちらも参考にしてみてください。

 

松竹梅

松竹梅は、商品の質や価値によって上中下の3つの価格を用意する方法です。3パターンの価格が用意されていると商品の選択肢が増え、購入される可能性も高まります。

 

また、3段階の選択肢があると、人は真ん中を選ぼうとする心理効果が働くため、特に売りたい商品の価格が真ん中になるように設定するのがポイントです。

 

抱き合わせ価格

抱き合わせ価格は、複数の異なる商品をセットにして価格設定する方法です。セット価格やバンドル価格ともいわれ、それぞれの商品を個別で購入する場合よりも安い値段を設定します。複数の商品をセットで販売するため、売上や顧客単価の向上につながるのがメリットです。

 

サブスクリプション

サブスクリプションは、商品やサービスを定期購入する仕組みです。長期的に利用してもらうことで利益を出すビジネスモデルで、1回あたりの支払額は安めに設定します。継続的な売上が見込める点や、利用しやすい価格設定で新規顧客を獲得しやすい点がメリットとして挙げられます。

 

端数価格

端数価格は、980円や1,990円のようにあえて端数をつけた価格設定のことです。例えば1,000円で売りたいものを980円にすると、桁が小さくなって「安い」と感じやすくなり、顧客の購買意欲を高める効果が期待できます。

 

アンカリング

アンカリングとは、最初に与えられた情報を基準として判断してしまう心理のことです。商品やサービスの価格設定では、「最初に高い価格を提示してから、それよりも低い価格を提案する」といった手法で使われます。

 

また、先に商品・サービスの価値をアピールして間接的に高価格な印象を与え、実際の価格を提示したときに「思ったより安い」と思わせるのもアンカリングの活用方法のひとつです。アンカリングを活用すると、顧客の購買意欲を高める効果が期待できます。

 

➂提供方法・販路(チャネル)を分析する(Place)

提供方法・販路を分析する際は、「どこで」「どのように」売るかがポイントです。「大量に販売する日用品はスーパーやコンビニエンスストア」「特定のターゲットに向けた商品はセレクトショップ」など、商品・サービスの特性やターゲット層に合わせた方法になっているかどうかが重要です。商品によっては、実店舗を持たずECサイトのみで販売する方法もあります。

 

以下で、販路を決める際の3つの政策を紹介するので、こちらも参考にしてみてください。

 

開放的チャネル政策

開放的チャネル政策は、販路を限定せずに幅広い店舗で商品を取り扱う方法です。食料品や日用品など、大量生産・大量販売の商品に適しています。販売機会が多いため、利益を出しやすいのがメリットです。一方、販売管理の難しさや多数の流通業者が自社商品を扱うため、場合によっては自社の販売方針とは沿わない形となり、ブランドイメージの低下につながるおそれがある点に注意しなければなりません。

 

排他的チャネル政策

排他的チャネル政策は、販路を特定の店舗に限定する方法です。開放的チャネル政策よりも販売機会は減るものの、販売管理がしやすく、ブランドイメージを保てるなどのメリットがあります。高級ブランド品や、販売時に専門的な解説が求められる商品(自動車)などに採用される方法です。

 

選択的チャネル政策

選択的チャネル政策は、代理店など販売できる業者を選択する方法です。開放的チャネル政策と排他的チャネル政策の中間のような位置付けで、主に化粧品や家電製品などの販売に採用されています。販売機会の多さと販売管理のしやすさが特徴で、バランスが取れた政策といえます。

 

➃販促方法を分析する(Promotion)

商品やサービスを購入してもらうには、ターゲット層に存在を知ってもらうための販促活動も重要です。主に活用されている販促方法には、以下のようなものがあります。

 

・テレビCM
・ウェブ広告
・チラシ
・SNS など

 

ターゲット層の購買行動によって、効果的な販促方法が異なります。詳しくは下記記事で紹介しているので、併せてご覧ください。
> 【事例あり】販促(販売促進)とは?重要性や効果的な販促方法を解説

 

ヤフーでは、ウェブ広告を活用した販促に役立つ「Yahoo! JAPAN 予測ファネル」を提供しています。ウェブ上のユーザー群の行動を購買・検索・来店などに分類し、見込み顧客のボリュームや需要の変化などの確認が可能です。

 

「Yahoo! JAPAN 予測ファネル」については、下記ページで詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
> Yahoo! JAPAN 予測ファネル

 

4P分析のポイント

4P分析をおこなう際は、それぞれの分析項目の整合性が取れているかを意識しましょう。例えば、高級感や質の高さなどを価値として提供しているのに、価格設定が低すぎたり高級感や質の高さが伝わらないような販促方法になっていたりすると、マーケティング施策の効果が十分に得られないかもしれません。

 

また、他のフレームワークと組み合わせることも大切です。例えば3C分析と組み合わせると、市場の状況や自社の強み・弱みを把握したうえで効率的に4P分析が進められます。

 

他のフレームワークとの組み合せなど4P分析のポイントについては、下記ページで詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
> マーケティングミックスとは? 意味や4P・4Cの要素と組み合わせ、4つの活用ポイント

 

まとめ

4P分析は、「商品・サービス」「価格」「提供方法・販路」「販促方法」の4つを分析するフレームワークです。具体的なマーケティング施策を検討するときに活用される手法で、サービス業では「人」「プロセス」「物的証拠」の3つを加えた「7P分析」が用いられることもあります。

 

4P分析をおこなう際は、4つの項目の整合性が取れているかどうかを意識しましょう。また、3C分析や4C分析などその他のフレームワークとも組み合わせて、効果的なマーケティング戦略を検討してください。

 

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制作:デジタルアイデンティ株式会社

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